03/10〜03/01
僕たちは毎日同じ場所で歌い続けている。同じ場所で同じ歌を毎日歌いつづけている。
以上
もしオリンピック代表を誰にしたらいいのかわからなくなってしまい、選考委員会が開き直って全国民からの抽選とかになって、この僕が選ばれてしまったらどうしようといらぬ心配をしてしまう。僕は世界の競合達に果たして勝てるだろうか。
僕たちは毎日同じ場所で歌い続けている。同じ場所で同じ歌を毎日歌っている。
以上
普段ならうっとおしいティッシュ配りの人達が、杉の花粉が飛び回っている期間だけは被災時の炊き出しのようにうれしい。だからといって武富士に心を許したわけではない。
僕たちは駅前に立ち、たくさんの人達が通り過ぎるのを見ながら歌った。通り過ぎていく人達は誰も僕たちを見ようとはしなかった。軽蔑の視線すらもない。ただみんなが無関心を装って通り過ぎていく。
以上
桃の天然水のCMでの「世の中は桃とりんごでできている」というキャッチコピーの耳障りの良さは、人々の潜在意識にハイヒールのモモコとリンゴという漫才コンビがちょろっとインプットされていたからなのかなあと今更ながらに思う。
ということで、世の中はモモコとリンゴでできていると一部でいわれている関西では、この二人が選挙に出たら絶対にぶっちぎりで当選することが確実視されているらしい。関西って謎だ。
「なあ、つき合うとしたらいくつぐらいの娘がいい?」
「そうだなあ、やっぱり18ぐらい・・・」
「若いのが好きなんだ」
「は年下がいいなあ」
「ロリコンかよ」
こういう会話がしたいなあと思う今日この頃。別にロリコンの話がしたいという訳ではない。
僕たちはこの大都会で、たくさんの人を前にして孤独を感じていた。ここは誰もいない森の中や海の上よりも僕たちにとっては孤独な場所だ。
しかし、孤独だ孤独だとわめいていてもしょうがないので、僕たちは表現をしてみることにした。駅前で歌ってみたのだ。
以上
とりあえず目薬をさしてみたら、目薬をさすのさすはどういう漢字だろう、目から入ってきた目薬が躊躇なく鼻へと伝わってきた。思いもよらぬことに鼻が苦い。
この目薬が鼻へ事件は、子供の頃に奇人変人ショーの類のテレビ番組で見た「鼻から飲んだ牛乳を目から出す人」に一歩近づいた気がする。人類にとっては小さな一歩かもしれないけれど、僕にとっては大きな一歩だ。せっかくなので目標は大きく、右の鼻から牛乳を飲んで左の鼻からコーヒーを飲んで目から出す大技「カフェオレ」だ。あ〜あ。
日本テレビ月曜深夜の「ワークパラダイス」でやっている越前屋俵太の「路上の歌」が異常におもしろい。ありきたりなノンフィクション番組なんかよりもずっと重みがあるんだな。こういったドキュメント番組?は制作者側の都合のいいように決めつけられたストーリーが進んでいきがちだが、この番組だと完全な興味本位でつくられているのでいろいろと危うくていい。
僕たちは少し人恋しくなって、ダッチワイフに乗って大きな大きな大都会にやってきた。ダッチワイフをコインロッカーに詰め込んで僕たちはこの大都会の街を歩いてみた。
この街にはとてもたくさんの人がいる。少し街を歩いただけでも何人もの人達が僕たちとすれ違っていく。しかし、これだけの人がいるというのに僕たちの知っている人は一人もいない。
こんなにたくさんの人がいるのに、その中には家族も友達も恋人もいない。初めて来た街なので知り合いがいなくて当たり前なのだが、それでもたくさんの知らない人達が目の前を通り過ぎていくのを見ていたら、なんだか悲しくなった。
僕たちは旅をしながらたくさんの人と知り合ってきたが、なんだかこの街には人があまりにも多すぎて、誰とも知り合いになれそうにない。
以上
風呂桶に熱めのお湯をたっぷりと溜めて、肩までどっぷりとお湯につかる。僕は子供の頃に、お風呂にはいるときは肩までしっかりつかりなさいといわれて育ったので、半身浴は信用していない。
一時間ほど風呂に入った僕は、期待に胸を膨らませて体重計に乗った。体重はなんと、61.8キロ!。風呂に入る前が61.5キロだから300グラム程増えている計算になる。どうやら風呂に入ったことで体から出た汗よりも、皮膚から吸収したお風呂のお湯の方が多かったらしい。どんな体だ。
僕たちはまた旅に出ることにした。おじいさんの穴掘りを手伝おうと思ったのだが、おじいさんが「もう神様との約束は果たした。これから掘るのは俺の墓穴だから一人でやるよ。」といったのだ。
僕たちはダッチワイフに空気を詰めながらおじいさんが掘った大きな大きな穴を眺めた。
以上
今日も温泉に入ろうと思って僕たちはおじいさんの温泉にいったのだが、そこにはお湯はまったくなくなっていた。ただ大きな穴があるだけだ。どうやら温泉は一日で干上がってしまったらしい。
おじいさんはまだ湿り気のある穴の底に座り込んでいた。そして、僕たちと目が合うと、「昨日は気持ちよかったな。」と大きな声でいった。
以上
という話がコンビニへ行く途中に突然頭に浮かんできた。どうやら脳が腐ってきたらしい。いいけど。
僕たちがいつものように穴掘りの現場に行くと、そこには膨大な量のお湯が溜まっていた。おじいさんが50年間堀り続けた穴いっぱいにお湯が溜まっている。どうやらおじいさんは黄金でも化石でもダイヤでも遺跡でもなく、とてつもなくでっかい温泉を掘り当てたらしい。
おじいさんは先に来ていたらしく、すでにその温泉に気持ちよさそうに浸かっている。僕たちもさっそく素っ裸になって温泉に飛び込んだ。僕たちが穴掘りを手伝ったのはたったの数日間だったけれど、とても気持ちが良かった。
50年間ずうっと穴を掘り続けたおじいさんは、僕たちに「50年前に夢に現れた神様が、俺の目の前で気持ちよさそうにこの温泉に入っているよ。」といって笑った。もちろん僕たちにはなにも見えなかった。
以上
僕たちは穴を掘り続けている。これだけ掘ったのだから古代の遺跡がでてくるかもしれない。
以上
僕たちは穴を掘り続けている。これだけ掘ったのだからダイヤモンドの原石がでてくるかもしれない。
以上