8/6(土)富士山登山富士登山 そこに富士はあるのかい

 

 

予定調和を一歩飛び出た波乱という名のイベントを乗り越えて、無事にバスに乗り込みため息ひとつ。ふう。とりあえず眠くなるまでの間、未だに富士登山がよくわかっていない(私も経験ないのですが)軽装かつ徹夜開けのT羽君に、「山頂は真冬並みの寒さ」「実は日本一の山」「登山中に死んだら鳥葬」「今のうちに顔写真を撮っておこう」「山は物価が高いから20万円くらいは必要」「バナナで釘が打てる」「7つ集めるとどんな願い事も叶う」などの富士山マメ知識を思いつくままに吹き込んでみる。純朴な青年と後味のさっぱりした嘘つきがたくさんいる空間はとても楽しいなと。

新宿を出発してから二時間ほどで、バスは富士急ハイランドのあるインターチェンジを降りて一般道へ。本来ならこの辺にくればもう、でかでかとマウントフジの鎮座した姿が見られるはずなのだが、空には雲が厚く広がっていて一向に見当たらない。富士山を登るコツは一つだけ、「天気のいい日に登る事」というのをどっかのサイトで見たような気がするなあ。ああ、去年富士山に登ったI川さんからの忠告「富士山をなめちゃダメ!」という言葉が頭をクルクル廻るよう。

空が暗い。

姿が見えないほどの雲に隠れた富士山と、キャーキャーいいながら楽しめる富士急ハイランドのフジヤマ。参加メンバーの全員がどっちに人生を賭けるか本気で本気で悩んでいる間に、無情にもバスは富士急を通り過ぎ、本来の目的地である河口湖駅に到着してしまった。じゃあ仕方ない。河口湖駅からも富士山の姿が見当たらないのが若干不安だが。

河口湖駅。写真がおざなり。 富士山が見当たらないよう。

ここから富士登山を開始する「河口湖口五合目」へ向かう路線バスに乗り換える訳だが、乗り換えの時間が10分しかなく、その間に切符を買わねばならない。バスは一時間に一本しかでていないので、ここは一つスムーズな団体行動をせねばならぬのだが、そんな気持ちを萎えさせるのが、先にバスを待っている国際色豊かな富士登山隊。すでに到着している富士山行きのバスに乗り込もうと待ち構えている人達は、ぱっと見た感じで日本人より外国人の方が多く、冗談抜きでリュックサックを背負ったサリーとか、登山靴を履いたターバンとか、無秩序に20カ国くらいが揃っていやがる。さすが世に名高いフジヤマ、ゲイシャ。まあここで日本人の我々が焦ってもしょうがないということで、1時間後のバスでゆっくりいくことにしましょうか。

なんじゃこの人の量は。

とりあえず駅に隣接しているバスの切符売り場で、人数分の往復切符を買おうかなと思っていたところで、すでに今日何個目かすら覚えていない事件発生。N谷さんたらお財布をバスに置いてきちゃったみたい。あわわわわ。とりあえずバス会社に事情を説明して連絡を待つ事に。まあ、バスだからきっと大丈夫だろう。私が小学3年生のときおばあちゃんの家に行ったときバスに忘れたジャイアンツの帽子もすぐ見つかったし。

次のバスまでまだ時間もあるので、近くのコンビニでご飯を買ったり、売店をウロウロしたりして時間をつぶす。私はこういう手持ちぶたさな時間が結構好きなので、バスを一本遅らせて正解だったかな。短い人生、両手いっぱいにゆとりを持って生きていきたいなと。

なんとなく買ってみる。なぜなら不安だから。 この水うまそう。

さて、富士登山に必要なものといえば、登山靴(T羽君は底の薄いスニーカーだが)、防寒着(N谷さんは忘れたが)、そして杖である。なんでも「金剛杖」とか「金剛棒」とか「ストロング金剛」とか呼ばれる六角の白木の杖が甲子園アルプススタンドののカチ割りの如くスタンダードな一品らしく、当然ここの売店でも売っている。ちなみに、なんども富士山に登っているN谷さん、F施さんは年期の入ったMy金剛杖を持参しており、道中ことあるごとにチャンバラごっこをしていたりする。お値段は、杖のみだと600円、鈴付き700円、旗(もちろん日の丸)鈴付き900円とそれほど高くはないのだけれど、この値段は標高に比例して高くなるので、必要な人はここで買っておいた方がお得らしい。しかし私はあえて金剛杖は買わず、ぱっと見「死んだおじいちゃんの形見」みたいな折りたたみ式の杖で富士登山にチャレンジだい。明らかに登山用じゃないけれど気にしない。どうせ血管年齢42歳、ヨボヨボの私にはこんな杖が似合っているさ。

金剛杖。 金剛じゃない杖。

さあ、バスも来た事だし、張り切って富士山にいこうかな。インドからネパールを目指すバスのような無秩序さを醸し出す超満員の路線バスに乗って、河口湖口五合目とかいう地獄の一丁目へレッツゴー。

ブラジル国旗のタンクトップが素敵。 混み過ぎ。


いまだに富士山が見えないんですけれど、本当にだいじょうぶかしらん。


つづく


買い物してして

こういうの好きかな