8/7(日)富士山登山富士登山 下山道にて無限回廊
うーん。11時間かけて登ったのと同じ距離を今から下っていく訳ね。現在時刻は8時9分、下りは一体何時間かかるのかしらん。残りの飲み物があとちょっとしかないけれど、500円のペットボトルがどうしても買えない私は下界にたどり着けるのだろうかね。とりあえず熱さ対策に日焼け止めをたっぷりと塗ったら、やっぱり地球上とは思えないような埃っぽい大地対策にりんご温泉のタオルを口に巻いて、なんとなく持ってきていたゴーグルを装着し、急な下りの砂利道対策に杖つきながらズルズルと滑るように降りていく。客観的に見ればあまりにも胡散臭い格好だけれど、このメンバーだと誰も突っ込まない。ううん、登りは気にならなかったけれど、やっぱりおじいちゃん仕様の杖だと下りはきついな。杖が短いから足より先につけないので杖の意味がない。どうやらスキーみたいな「ダブルスティック」が下山にはいいみたい。
瓦礫。 | うん、あやしい。 |
富士山の下山道は延々と続くジグザクの単調な道。本当に単調。何度も何度も何度も何度も、本当に何度も右へ行ったり左へ行ったりと繰り返すだけ。なんだか富士の魔力で永久ループに紛れ込んだのかと思うほどに延々続く。急な下り坂に膝は痛くなるし、ゴロゴロした砂利道で足首は遊びすぎたプラモデルの間接みたいに緩くなるし、道は埃っぽいし、はっきり言って苦痛。登りよりもある意味苦痛。夢に出てきそうな苦痛。もういやー。
ずりずり右に降りる。 | ずりずり左に降りる。延々繰り返し。 |
まわりは溶岩しかない。 | 溶岩、かと思ったら梅干しのタネ。なぜここに。 |
基本的には下りなんて辛く苦しいだけだけど、ちょっとだけ楽しい事もあった。それは雲。真近でみる雲の動きはとても早く、山裾から涼しい風と一緒にすーっと巻き上がってきて、私たちの周りでマイナスイオンタップリの霧となってやさしく包み込んでくれるのがすごい気持ちいい。こんなクーラー欲しい。おかげで日焼けで焼け死ぬ事もなく、どうにか歩き続ける事ができたっす。本当に今回は天気に恵まれたなあとしみじみ感謝。
もくもく。 | 雲の動きは速かった。 |
この雲が気持ちいい。 | 下りに唯一ある売店。面倒なのでスルー。 |
延々延々続く道程で、風邪で体調不良のまま参加しているF施さんがとうとうダウン。それを尻目に元気いっぱいのT羽くんは、「下りは走った方が楽だ!」とかいってダッシュしてるし。またついうっかり付き合って私も走ってみたら、確かに重力に身を任せて走った方が足は全然ラクチン。ただし、足は楽でも心肺機能がついていかない。やらなきゃよかった。後で聞いたら、T羽くんは学生時代に陸上の短距離をやっていたらしく、「少し走って少し休むインターバル方式が体にあっている」そうだ。延々延々歩いて、やっと草が生える地帯まできた!。食べられない草を発見してうれしいのは人生発かも!。
ダッシュするT羽くん。 | やっと草が生えだした。 |
さあ、草も生えたし、下界はきっとすぐそこだと思ったんだけれど、ここからがまた長かった。何度もいうけれど、本当に延々延々ジグザグと歩き続ける。途中、分かれ道で「左・登山道:右・下山道」という看板をうっかり左に行ってしまいそうになるほど全身が疲れてきた。ダウンしてしまったF施さんの荷物はやっぱり元気なT羽くんを中心に、集団下校の鞄持ちみたいにみんなで交代で持ちながらいく。T羽くんたら「荷物が重いと加速がついて速く走れます!」とかいっているし。若さは偉大だ。よくそんな靴底の薄いスニーカーでこの道を走れるな。
リュックを二つ背負っても元気いっぱい。 | 霧は涼しいのでうれしい。 |
ここで間違えたら死ねる。 | 地獄の7丁目っていう感じでしょうか。 |
そろそろ、本気で辛いのですが。
つづく