8/6(土)富士山登山富士登山 君が近過ぎて僕には君が見えない

 

 

河口湖駅発河口湖口五合目行きなのに、デリー発イスタンブール行きウエストバックにはパスポートみたいな望んじゃいないが異国情緒たっぷりのバスに乗り、ここから1時間ほどかけて富士山の登山道入り口まで忍び寄る。ちなみに富士山の山頂を目指すルートはいくつかあり、今回は一番文明化が進んだ、バスツアーなども多く利用するルートだそうだ。なぜこのルートにしたのかというと、なんでだろう。今回の旅行は全部N谷さんとF施さんに任せっきりにしたので、細かい事はまったくわからんちん。でも、富士登山のベテランが選んだルートだ。きっと深い理由があるに違いない。

バスに乗ってすぐ、ここまでの必要以上に波瀾万丈な行程で疲れ果ててしまいダウン。どうせ景色は雲に隠れて見えやしねえ。30分くらいグーグー寝たところで、耳がキーンと痛くなり目が覚める。これが高度に寄る気圧の変化ってやつですか。そうか、やっぱり私は富士山に向かっているんだなあと妙に納得。ふと窓から外を見れば、山裾にはまだ雲が広がっているが、上の方は空が明るい。これなら登山には支障なさそうだ。さすが富士山、雲より高いぞ鯉のぼり。しかし、眼下に広がる静岡だか山梨だかの街がすごい低い場所に見えるな。これで半分くらいの高さか。どうやら富士山ってやつは思った以上に高いらしい。本当は5000メートルくらいあるに違いない。

高い。

うねうねとうねるマイカー規制された道路を超え、我々のフジヤマ登山出発地である五合目に18時50分到着。高速道路に隣接した観光地並みにお土産屋がボコボコと立ち並ぶこの場所は、本当に富士山へと続く場所なのだろうかと若干不安になる。本当は箱根行きとか軽井沢アウトレットショップ行きののバスだったのかもしれない。自分を落ち着かせるために「どれが富士山なのですか」と参加メンバーに尋ねると、「どれってあれ」と、当然のように植物の全く生えていない火星みたいな山を金剛杖で差される。えー、ここまで来てやっと私の目に捉えられたマウントフジは、私のイメージしている富士山とだいぶ違うんですが。なんか「ふじさん」ってうより「ごんださん」っていう感じ。無骨。雪とかまったくないのね。あっても困るんだけれど。M岡さんがいっていた「登っても面白くない」、I川さんがいっていた「富士山をなめちゃダメ!」、富士山の話をしているときのS木さんの沈んだ表情の意味がやっとわかった気がする。あのサキッポまで自分の足でいくのかあああぁぁぁ。全然イメージ湧かない。

どこの観光地ですか。 高い。

適当な場所に荷物を置いて、富士山の薄い空気に関東平野で育った体を慣れさせるためにしばらくご飯を食べながらダラダラと過ごす。うーん、寒い。この時点で予想以上に寒い。死ぬ。ああ、なんか空気の薄さのためか、心臓がバクバクいっているぞ。大丈夫なのかオレ。まだ登山開始していないのに。とりあえずそんな時は厚着だ。カーゴパンツの下にタイツ(ズボン下とも股引ともいう)を履いて、半袖Tシャツ、長袖Tシャツ、フリースとモコモコ着込んでいく。ほら、もうこれで寒くないしリュックが軽くなった。めでたい。上着を忘れたというN谷さんをふと見れば、「熱を逃がしちゃいけないから」と長袖シャツの下に100円ショップで買ったであろうビニールのカッパを着込むという24世紀のトレンディーを実行中。しかし、これだけでは富士山は登れないと、売店から薄っぺらなウインドウブレーカーを買ってきた。さすがに若干不安そうな表情をしているN谷さんだが、そこに状況を一転させる一本の電話が。電話は新宿から乗ったバス会社からで、忘れてきてしまったN谷さんの財布が無事保護されているという、待ちに待った吉報だ!。さっきまで曇っていたN谷さんの表情はキラッキラと輝きだし、防寒の不安などどこ吹く風。体感気温が5度は上がったように見える。そういえば急に空も晴れ渡ってきて気がつけば登山日和になってきた。すごいぞN谷さん。

防寒着を求めて。 ビスコも膨らむ気圧。

準備体操をしっかりしたら、通りすがりの方にまだ元気なうちの記念写真を撮影してもらい、19時42分にいざ五合目出発。目指すは日の出までの山頂到着だ。つーことは今から9時間歩きっぱなしか。ピンとこないよう。

金剛棒体操。 記念撮影。

出発。あ、こういう写真を21世紀少年で見た気がする。

ところで富士山って何号目まであるんだろう。


つづく


買い物してして

こういうの好きかな