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2/11(金)ハワイ旅行記12 ‘さしみ’フィッシングツアーで釣り放題

ハワイ、海があるんですよ。あ、知ってますか。で、海があると魚がいるんですよ。ええ、今日の昼間、ハナウマ湾にいってこの目で泳ぐ生魚を見てきたので間違いないです。魚がいます。なので釣りです。

ハワイで釣りっていうと、どうしても松方弘樹がブルーマーリン(クロカジキ)やミナミマグロを豪快に釣り上げて、白髭のキャプテンと熱く抱擁みたいなイメージが強いですが、今回は地味に乗り合い船で夜釣りです。ええ、ハワイだろうが、地味に生きていきます。

まだ日も高い午後4時50分、ホテル正面に頼りなさそうなアメリカ人の運転する車が50分遅れで無事到着。予約がちゃんとできていなかったのかと思ったけれど時差時差。車の横には「‘さしみ’フィッシングツアー」という素敵な文字が。今回の釣りは(というか、全面的に)同行者に予約してもらったので、具体的に何を釣るとか、何時から釣るとか一切把握していない。同行者によると、バーベキューが付いているらしい。そして‘さしみ’フィッシングツアー、名前から判断するに釣った魚をその場でお刺身にしてイエーイとみた。たぶんハワイ版屋形船だ。きっとそうに違いない。

車は例によっていろんなホテルをハシゴしてお客さんを拾っていく。今回の運転手さん、外国人なのに大泉晃にそっくり。そして運転中、とっても頼りなさげな表情。ため息を付きながら路地をグルグル。地図を見ながら路地をグルグル。どうやら道に迷ったらしい。観光客じゃないんだから。それでもどうにかこうにかいつもよりよけに回っておりますが、どっかのハーバーに無事到着。SASHIMI$42。

車到着。 ‘さしみ’フィッシングツアー。いい名前だ。

大泉晃。 SASHIMI$42。

お金を払ったらレッツゴー。ちなみに金額は申し込んだ代理店によって数ドル違ったりする。乗り込む船の名前は「Sashimi II」。いや、本当だって。さすがに屋形船でも日本の釣り船でもないクルーザータイプの船でちょっとガッカリ。出船前にサングラスをかけた本田美奈子に浅野ゆう子が乗り移ったみたいな押しの強いねえちゃんがいきなり演説を始める。「あんまり釣りに夢中になるのは日本人の悪いところね。せっかくお金を出しているんだから、夜景を見たりしてエンジョイしないと損よ!、アメリカ人はお金を払ったらその分楽しむわ」とまくしたてるあなたは日本人。要約すると「釣れなくても文句言うな」という事らしい。なんかイヤな予感がメラメラとしてきた。

辻説法が終わると、今度はケインコスギみたいな日系の兄ちゃんが、ケインコスギみたいなしゃべり方で釣りのやり方をみんなにレクチャー。今回の釣りは「底釣り」という釣りで、一番下にオモリがあって、その上に針が二つ付いているだけの単純な仕掛けだ。その仕掛けを海底付近にユラユラさせてねとのこと。天秤とか一切なし。この辺のアバウトさはベトナムと同じだ。ああ、リールのハンドル(クルクル回す部分)が左側に付いている。さすがアメリカ、リールまで左ハンドルだぜ。

ちなみにこの船、船の前方に日本人客、後方にアメリカ人客と完全に別れて陣取っている。呉越同舟。50年前には考えられなかった光景だ。

Sashimi II。 レッツゴー。

ソコヅリデネライマース。 アバウトな仕掛け。

昭和の香りがするリールと竿。左ハンドルだぜい。

日が傾きかけた頃、何処に行くのか知らないけれど出航。必要以上の強風の中、バッシャンバッシャンと波を切り裂きながら進むSashimi II号。さ、さむい。海から吹き付ける冷たい風が容赦なく私の体温を奪っていくよう。長袖着ていてもこんなに寒いとは。いくらハワイといえども夜釣りを舐めてはいかんね。ブルブルブルブル。ちくしょう。なんでアメリカ人はどんなに寒くても半袖なんだ。あの人達、ぜったいおかしい。腰にホッカイロでも貼っているんじゃないかな。実は。

ガクガク震えながら丸まっていると、ケインが海の向こうを指さして「クジラ!」とホエール。なんだなんだと見に行くと、海面が少しに波立っているように見える箇所があるような気もする。クジラなのかな。するとすぐに厚着をしたクジラ好きっぽいアメリカン親子が現れて、船先頭のタイタニックスポットでホエールホエールゴーゴーホエール。期待に応えるように遠くの方で潮を吹くクジラさん。釣ったらごめんね。ほら、日本人だし。

そんな感じで釣場までの数十分、サンセットクルーズ(鯨付き)を楽しむ。海に沈む太陽っていうのは鶴岡以来だな。個人的には海上というだけですでに楽しい。

ほら、あそこにクジラ。がいるらしい。 海の男、大泉晃。

パパ、ホエール! 夕焼け。

きれいな夕日だね、ママ。

ポイント到着。晃がパラシュートアンカーを海に入れたら釣りスタート。船は景気よくガッコンガッコン揺れていますが、釣り竿を持っている以上は大丈夫。バスでは酔うけれど釣船では酔いません。針にイカの短冊をくっつけて、ヒュルヒュルヒュルと海に落とす。ヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュル。深いな。そして潮早すぎ。オモリが潮に負けて糸が海面に対して45度くらいの角度で刺さっている。ううん、底がよくわかんないな。でも夜景はきれいだ。海上から見るワイキキは電飾が仕掛け花火みたいで素敵。月も見事な受け月だ。ちなみにタイタニックポイントにいたアメリカン父ちゃんは、開始早々船酔いでダウンしていた。アメリカ人も船酔いするんだとちょっと感心。

船から夜景の撮影はムリ。ぶれます。 船から月の撮影はムリ。ぶれます。

ちょっとトイレにいこうとしたら、船の後方に本日の夕飯がすでに用意されていた。まだ刺身にする魚釣ってないよう。で、メニューはというと、ご飯、ソーセージ、ハンバーグ、以上。ええと、見なかったことにしよう。

仕掛けが海面に対してなるべく垂直になるように悪戦苦闘していると、握りしめている堅い竿にプルプルと頼りない魚信がきた。釣りをしている時間の中で、この「初めての魚信」っていうのが好き。慣れない左ハンドルのリールをゴリゴリと撒くと、黄色に青いストライプが入った、アメリカンレスラーみたいな派手な熱帯魚が釣れてきた。いえーい。「ハワイネオンイサキ」と名付けてやる。たぶんパイナップルの味がするはずだ。

釣れた。ハワイネオンイサキと名付けよう。 パラシュートアンカーをドリルで巻き取る晃。

とりあえず一匹釣れて胸をなで下ろしつつ、仕掛けを投げ下ろすと、今度は根掛かりかと思うほどの強い引き込みがきた。堅い竿が根元からひん曲がり、年代物のリールからはジリジリジリと糸がでていく。明らかに人生最大級の大物がヒット。おお、松方っぽいぜ。さすがハワイ。しかし、そんな大物がこのアバウトな仕掛けで上がることはなく、プチッと糸が切れてサヨウナラ。あうあうあうあ。

その後もネオンイサキがチョコチョコ釣れるんだけれど、未知の大物も同じくらいかかってしまう。で、何度頑張ってもやっぱりプチッと糸を切られてしまうんだな。すっげえ悔しい。でもこういう釣りで日本から道具持ってきて本気で挑むっていうのも野暮なんだろうな。ああ、なんか釣り堀の「ウナギ釣り」で失敗し続けている気分だ。ウナギ釣り、細いハリスに針が付いていて、それでウナギを引っかけて釣り上げるヤツだけど知らないかな。

そんなこんなで釣り終了。結局ネオンイサキしか釣れなかった。未知の大物はたぶんサメじゃないかな。あるいはやっぱりクジラかも。

これは一人の釣果じゃなくて、みんなの釣果よ。

釣りが終わった後は、ホノルルの夜景をぼけーっと眺めながら、なにもイベントはなく帰港し、無事解散。いやあ、体が冷えたなあ。あれ、お刺身は?、おや、釣った魚は?、あれれれ。どうやらSashimiというのはあくまで船の名前だけで、刺身にはしてくれないみたい。ロンドンブーツ一号二号がスニーカー履いているようなもんか。ちょっと違う。まあ、釣れたからいいか。いや、いいのか、俺。



ふと、だいぶ前に「笑っていいとも」に出演した松方弘樹とタモリの会話を思い出した。

タモリ「釣ったカジキ、日本に持って帰るんですか?」
松方「向こうでは釣れた魚はキャプテンのものなんです」


郷にいれば郷に従え。釣れた魚はキャプテンのもの。この一言を胸に刻み、厚着をしていけば結構楽しめると思います。生魚持って帰れといわれても困るし。んだども‘さしみ’フィッシングツアーという名前は変えるべきだべさ。

つづく

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