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6/19(日)天然鰻の蒲焼き、鰻丼を作る

6/18(土)
釣れた釣れたよ、鰻が釣れた。詳しくは「近所の川でテナガエビ、ハゼ、ウナギ釣り」でも読んでいただくとして、今回は釣ってからストマックにニュルリと納まるまでのお話です。釣ってから私的標本に公開するまでだいぶ時間が経っているのはご愛嬌。いろいろあったんだよ。

釣れた鰻さん。もちろん天然。

河原にて、釣った鰻をさて持って帰ろうとクーラーボックスを見てみたら、鰻がすでに虫の息。鰻なのに虫。あわわわわ。釣ってから帰宅するまでの短い時間だからと狭いクーラーボックスに無理矢理入れておいたのが悪かったか。とりあえず水を足して鰻を元気づけ、台車をダッシュで押して帰宅。ああ、エレベーターが遅い。

どうにか元気になってますようにと、心の中で千羽鶴を折りながら祈りを込めて(折ると祈るは似ている。)クーラーボックスを空けてみるも、残念ながら鰻さんはすでにご臨終。今頃は三途の川でも渡っているのだろう。悲しい。なにが悲しいって、天然鰻は釣ってから数日はきれいな水に泳がせて、泥を吐かせてから食べないと臭いのよ。東京の川だし。それに死んでしまった鰻は極端に味が落ちると評判だしなあ。いや、単純にせっかく釣った鰻が死んだという事実も悲しいんですが、それをいえる立場ではないのでね。死んでいようが生きていようが最終的には食べる立場なので。

あとで調べたら、鰻はエラ呼吸以外にも皮膚呼吸をするので、エアレーションをするか、皮膚が空気に触れるようにしてあげるのが正しく、ヒタヒタの水量というのが一番悪いっぽい。ビニール袋に濡れたタオルと一緒に入れておくのがいいらしいよ。

まあ死んでしまったものは仕方ない。このままほっといたらどんどんまずくなるのは目に見えているので、とりあえず検量して捌いてしまおう。重量はと、620グラム(ザルの重さは除いてある)。ウェルター級かしら。鰻なのにヘビー(蛇)級っていうのもどうかと思うし。さて、長さはと、うーん。予想はしていたけれど、担架で運ばれるジャイアント馬場の如く、鰻に対してまな板の長さが足りない。とりあえずまな板を延長して無理矢理伸ばしてと、おお、70センチ。長い。でも私のベルトにはならない。我が人生で釣った魚類の中で一番長いかも(アカエイを除く)。まあすぐにコレを越す長さのマゴチを釣る訳だが。と言い続けて早3年。マゴチが釣れる気配は一向にない。

620グラム。 つぶらな瞳。

まな板が足らない。 とりあえず採寸。

さて、ぼちぼち鰻をさばこうかなと。私は関東人(東北人ともいう)なので鰻は背開き。鰻の背中を手前に向けたら首に目打ちを刺してしっかり固定。この固定が甘いと捌いている途中に外れてえらい困る。ガラスやプラスチックのまな板じゃできない芸当だ。ビバ木のまな板。そんな訳で、首から一切の躊躇をせずに小出刃を入れて、サクサクサクと背骨に沿って開いていく。お亡くなりになった鰻をさばくのは簡単なので、鰻割きとかいう専用の刃物なんかないけれど問題なし。身の厚みがうれしい。おっと、わかってはいたけれどまな板が足りないよう。仕方ないので床にダンボール敷いて、その上でまな板とその辺にあった通販雑誌を合体させて、何事もなかったように捌き続ける。尻尾まで開いたところで、肝吸い用に内蔵を取り出そうかなあああああああああっと、びっくりした。毛穴が開いた。瞳孔が開いた。耳が大きくなった。鰻の中から今週のビックリドッキリメカみたいなミニ鰻が出てきやがった。あれ、鰻って胎生だっけ?いや、そんなはずはない。ええと、君はだれ?ウニョウニョしていないで答えておくれ。ああ、寄生虫さんでしたか。お休みのところ失礼しました。目黒の寄生虫館で「ほとんどの生き物は寄生虫を宿しながら生きている」というのを学んだ覚えがあるので必要以上の動揺はしないけれど、さすがにその肝を食べるとなると微妙。そんな訳で肝吸いは中止の方向で。身は意地でも食べる。とりあえず捌くの終了。

まな板が足らない。 ひええ。寄生虫発見。ちょっとうれしい。

開いた。 開かれた。

さて、捌いたのはいいんだけれど、この泥を吐かせる前にお亡くなりになった鰻さんは鼻を近づけなくても明らかに川臭い。なのでなんとなく日本酒で洗ってラップして冷蔵庫へ。焼くのは明日にしよう。なぜならもう夜中だから。でもまだ寝ない。いつもは釣った鰻を白焼きで食べていたんだけれど、臭みを多少なりとも誤摩化すために、今回は人生初の蒲焼きにチャレンジするのだ。夏といえば鰻の蒲焼きだ。という訳で今日のうちに本格的なタレを作るのだ。インターネットで適当に検索して面倒くさそうなレシピを探す。この辺の必要以上の苦労は、あくまで趣味なのでちっとも平気。ところで蒲焼きの蒲ってどういう意味だろ。

まず鰻の頭と中骨を日本酒でよく洗ったら、金網でジュージューと焼く。絵的に美しいので蜷局(とぐろ)を巻いてみたりして。うわ、火が出た。秋刀魚並みの脂っすね。こんがり焼けたらぶつ切りにしてちょっとつまみ食い。うん、美味いんだけれどあくまでも川臭い。負けない。鍋に醤油、味醂、日本酒を各100グラム、黒砂糖+氷砂糖(中途半端に余っていたので)を合計80グラム、だし昆布の切れ端、生姜の千切りたくさんを煮立たせ、そこによく焼いた鰻の骨と頭を入れてごく弱火で煮詰める。ちなみにこのレシピはもちろん適当。うん、ほら味見したら甘すぎた。醤油50グラム追加。30分ほど煮込んだら、できたタレをすぐに冷やすのがコツらしいので(理由は聞かないで。知らないから。)、ボールに張った水で冷やしながらザルで漉す。これにて蒲焼きのタレ完成。なかなか面倒臭くてよろしい。うん、味はすこぶる美味い。びっくりした。きっとコレをホカホカご飯にかけるだけで美味い。えらいぞ骨。ついでに鰻の骨の佃煮(タレの搾りカスともいう。)も完成。甘じょっぱい。そんな訳で続きはまた明日。いい加減疲れた。

目が点になっていますね。 鰻というか、マムシっぽい。

骨。川の味がするよう。 煮詰める。

冷やしながら漉す。 佃煮。


6/19(日)
起床。うーん、昨日台車を押した筋肉痛が体中を駆け巡る。でも負けずに朝っぱらから鰻の蒲焼きを作るのさ。別になにかの罰ゲームじゃないよ。好きでやっているのよ。

天然鰻、すこぶる身が厚い。これじゃいきなり焼くと火が通らないような気がするので、とりあえず8分ほど蒸してみる。関東風は確か蒸すような気もするし。あれ、一回焼いてから蒸すんだっけ。まあなんでもいいや。新小岩風蒲焼きということで。串は難しそうなので刺さない。

蒸す。 蒸した。

蒸し器代わりのフライパンのフタを開けると、う、やっぱり川臭い。臭みのある皮を下にして蒸すべきだったかな。でもそういうレベルでもない気がする。まあ、焼いてタレつければどうにかなっぺや。ところでどうやってこいつを焼こうかな。どうせだったらやっぱり炭で焼きたいな。でも前みたいに卓上七輪で焼けるようなサイズじゃないな。かといってアウトドア用の七輪を室内で使うのは危険だな。といってわざわざ河原で焼くのも嫌だしな。ええい、仕方ない。台所サイズのバーベキューコンロ買ってきちゃえ。勢いって大事だ。おっと、ごはん炊くの忘れてた。せっかくなので鍋で炊こう。

買っちゃった。1000円。 ごはん。

さて、バーベキューコンロも無事買ったことだし、炭に火をつけようかな。場所が台所なので、わざわざ着火材などを使わずとも、昨日鰻の骨を焼いた金網に炭をのっけてガスコンロで焼けばいいのでとてもラクチン。炭に火をつけているコンロの隣に、買ってきたバーベキューコンロを設置。ガスコンロ オン バーベキューコンロ。コンロ オン コンロだ。コンロコンロ。防災的には最悪な気もするが、まあ気をつければきっと平気。いや、どうだろ。でももう止まらないの。あ、味噌汁もつくろう。二口(ふたくち)コンロは便利だなと。片方なぜか炭火だけれど。

着火がラクチン。 コンロ オン コンロ。

コンロ オン コンロに炭を入れ、その上に鰻をオン!。鰻の表面が乾いてきたら、昨日作った手作りタレの出番だ。本当は壷いっぱいにタレを入れて、串に刺した鰻を突っ込んで、次ぎ足し注ぎ足し末代まで秘伝のタレとして伝承していきたいところだが、今日のところはおとなしくハケで優しく塗りたくる。たまにひっくり返して香ばしく焼き上げたら、ドンブリごはんにのっけてタレをたっぷりたっぷりたらす。味噌汁とお新香を添えたら、はい、鰻丼の完成でございます。焼き方とかは全部自己流だから正しいかは知らない。

まずは表面を乾かすように焼く。 タレを塗りたくる。

こんがりと焼く。 鰻丼完成。

鰻丼!


いやあ、昼飯を作っただけなのに必要以上に疲れた。疲れたときは鰻だ。熱いうちにいただかないとな。ハフハフ。うん、ん、うーん、鰻がフカフカして美味しい。外側は香ばしいのに、お口の中でとろけるよう。でも・・・やっぱり川臭いよう。網で焼いたことでだいぶ臭さはとれたんだけれど、どうしても匂いが気になるな。よし、そんな時は昔っから山椒と相場が決まっている。きっと平賀源内も鰻に山椒をかけたはずだ。山椒をタップリ、タレをタップリかけてしまえ。・・・うん、よし、だいぶマシになった。臭さより美味さが勝った。正義の勝利だ。めでたい。美味いので一気に食べてしまう。ああ、フカフカ。

天然鰻の蒲焼き、正直川臭いけれど、その臭さを補って余りある美味さでございます。お亡くなりになった鰻でこれだけ美味しいんだから、きっちり泥抜きをした生きた鰻を使ったらどれだけ美味しいんだろう。ああ、想像しただけで体脂肪が高くなってきた。次はちゃんと生かして持って帰って泥抜きしようっと。


追伸:
鰻丼を食べ終えて、ちょこっと昼寝をしている間に、冷蔵庫に残しておいた蒸した鰻がいつのまにやら「夜のおやつ ウナギパイ」になっていた。

正しいウナギパイだ。 具は、ズッキーニとからしい。

あれ、ウナギパイって鰻が固まりで入っていたっけ。まあいいや。きっと小人さんが作ったのだろう。味は、網で焼いて余計な脂を落とす蒲焼きと違い、脂をすべてパイ皮で包み込んでしまうウナギパイなので、蒲焼き以上に泥抜きの必要性を感じてしまう。絵的、ネタ的には面白いけれど。泥抜きした鰻を蒸して、白焼きにしてから、スパイスを効かせたトマトソースで煮込んでパイにしたら美味しいかな。もちろん一匹まるごとでね。


※マネをして火事になったり、食あたりしたり、寄生虫を煩ったりしても責任持てません。すべては自己責任で。

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