クロスズキ(ブラックバス)料理 カレームニエル:私的標本


11/23(水)クロスズキ(ブラックバス)料理 カレームニエル

ええ、実は食べました。私の心の奥底にしまい込んでおこうかなとも思ったけれど、そろそろほとぼりも冷めただろうということでバラしたりして。

高滝湖にワカサギ釣りに行ったとき、マゴチ釣りの自主トレとして釣り上げてしまったクロスズキ、人によってはブラックバスと呼ぶ人もいますが、クロスズキと言い切ります。この魚、「実は美味しい」という意外な話と「やっぱり臭い」という真っ当な話を両方よく耳にするので、是非自分の舌で味わってみようかなと思っていたのですよ。しかし、わざわざ釣ろうとは思っていなかったので今日まで試せていなかったんだよね。いや、大学時代に食べたような気もするな。まあいいか。で、 偶然、思いもかけず、なんの因果か、釣れたと。でかいやつ。このワカサギが泳ぐ湖のブラックバス、じゃなかったクロスズキだったら美味しいかなって思うじゃないですか。結構期待しています。そんな訳でお持ち帰り。自分一人だけだと寂しいので、同行している人は全員一人一匹づつね。旅は道連れ。しかし、なんで写真右下にタチウオの仕掛けが写っているんだろう。なにを釣りに来たんだ。

よく太って美味しそう。

釣った魚を美味しく食べるためのポイントその1、血抜き。
ブラックバス釣りの真っ当なアングラーに見つからないうちにこっそりとクロスズキの首根っこのところにナイフを入れて、水の入ったバケツに突き刺す。ほら、生きたまま持ち帰ると外来種なんたら法とかいうやつで違法だし。血抜きはイシモチとかサバが釣れたときにいつもやることなんだけれど、なんだろうこの違和感は。同じボート釣りなのにねえ。男心は複雑だ。

がんばって血を抜く。これも美味しく食べるため。

釣った魚を美味しく食べるためのポイントその2、ハラワタを取り出す。
血抜きだけでも十分だとは思うけれど、やっぱり念には念を入れてねっと。ホテイさん達が乗るボートからは「タラコが〜!」という野太い悲鳴が聞こえて来たがスルー。しかし、血抜きもそうだけれど、やっぱりなんか違和感があるなあと思っていたけれど、その違和感の正体は、この臭いだな。明らかに海の魚の血とは違う臭いがする。しかし、嗅ぎ覚えのある臭いではある。どこだったかな、あ、そうだ、アメリカナマズと同じ体臭だ。さすがアメリカ人同士。うう、ちょっと先行きが不安になってきた。ちなみに下の写真の実行犯は修行僧だったりする。でもちゃんと血抜きしたから平気。

うーん。血が臭い。

そんな訳で、各自数百匹のワカサギと、一匹のブラックバスをクーラーボックスに詰めて帰路につく。

いやあ、疲れた。

このままクロスズキを家に持って一人お家に帰るのはかなり嫌なので、アキラさん(仮名)、修行僧さんと連れ立って、修行僧じゃない方のお坊さん宅に寄って食べていくことにした。この家の包丁はペーパーナイフ並みに切れないので、料理はすべて修行僧に一任する。ほら、切れない包丁だと危ないからね。さすがにわかさぎ釣りにマイ出刃包丁は持って来ていない。

食べごたえタップリ。

どうにか三枚に捌かれたクロスズキはさらにブツ切りにされて、臭み消しのため日本酒に漬け込まれる。見た目的にはスズキっぽい。黒い筋のあたりとか。かなり美味しそう。若干川臭いがね。こいつを火鍋に放り込んで食べたんだけれど、これがビックリ!。やっぱり川臭いんだよねえ。食感は筋肉質でいいんだけれどねえ。食べられなくてはないんだけれど、箸が進まないんだよねえ。もっと強烈に辛い火鍋にしてグツグツ煮倒せばよかったかな。

美味しそうと思うでしょう。

で、家に帰ってクーラーボックスを開けるとね、またクロスズキがいるんですよ。お坊さんの家で食べたクロスズキは残念ながら私が釣った奴じゃなかったみたい。

とりあえず、ワカサギと火鍋でお腹はいっぱいだけれど、このまま冷蔵庫に入れておくのはよくないので、とりあえず出刃包丁で力任せに捌く。非力だが。しかし、このクロスズキっていう魚、骨が異常に固いな。ちゃんとした出刃包丁でやっても肋骨が切れないってどういうこったい。ワカサギをいっぱい食べると骨が丈夫になるのかな。今イチ食用にされない理由はこの骨の硬さにもある気がする。

三枚に捌いたら皮を素手でベリベリと剥く。皮に実がついちゃったけれど気にしない。むしろ好都合。そしたらやっぱりブツ切りにして、カレー粉を溶かした牛乳に漬け込む。インド人もビックリだ。カレー味にして食べられない素材は人間の食べるものじゃないっていうし、これで臭みが消えて立派な動物性タンパク質になるはず。なってくれ。インドよ、俺に力を貸してくれ!。返さないけれど。

カレー粉と牛乳に漬け込んでみる。

翌日、冷蔵庫を開けると昨日入れたクロスズキのカレー牛乳漬けがそのまま残っている。くそう、お腹をすかせた小人さんが食べるのを期待していたのだが。まあいいさ。食べるさ。ああ食べるさ。

牛乳から引き上げた身の臭いを嗅いでみると、まだちょっと川臭さが抜けきっていない。ちなみに私の鼻はとてもよい。別にレーシックの影響という訳ではないのだが。コイツをキッチンペーパーできっちんと水気をとって、大量のカレー粉、胡椒、ナツメグ、山椒、その他諸々目に付いたスパイス類全部をまぶしまくる。こういう食材を扱うコツは、なるべく素材の持つ特徴を打ち消すことだ。いくら頑張って消してもどうせ口の中で主張してくるんだから。

元の色がわからなくなるくらいきっちりとな。

さらにその上から、素材の持つエキスをなるべく閉じ込めないように極力薄く小麦粉をまぶす。

小麦粉でまぶした。

ここまでやっておいてなんだが、さてどうやって料理しようかな。卵とパン粉をつけて揚げるのが美味しそうだけれど、この量を揚げるとなると結構な油が必要だよねえ。よし、後始末が面倒なので揚げ物は却下。ムニエルとかいう奴にしよう。焼けばいいんだろ。オリーブオイルとバター半々でこんがり焼いてやる。川魚の半生は危険なのでじっくりとウェルダンに火を通す。ウェルダンスズキってプロレスラーみたいで強そうだ。

じっくり焼こう。

はい、そんな訳でブラックバスことクロスズキのムニエル完成。うん、美味しそうな気がしないでもない。いや、実はかなり美味しいと見た。ワカサギ食べて育ったクロスズキだもの。

まあ、おいしそう。

さて、食うか。日本人らしく、ちょこっと醤油を垂らして、アツアツのところをがぶりといく。ん、身の食感がとてもいい。プリップリした弾力がなかなかよいではないか。うんうん、なんだ、やっぱりおいしい・・・ん、なんか最後の最後に川臭さが口に広がるな。別に臭いを気にしなければ平気なレベルなんだけれど、なんか喉を通るときに腹が立つような残り香が。なんかバッティングセンターに行きたくなってきた。でも食感はいい。表面がこんがりと香ばしいし。身の質はかなり上級の部類に入ると思う。これだけプリプリした白身魚はなかなかないんじゃないかな。身も厚いし。が、臭いが。なんか通販でサンドバッグとか買いそうになる。いや、平気なんだけれど〜。


臭いはまあ平気なんだけれど〜
食感はとてもいいんだけれど〜
食べていてなんか腹が立つんだよね〜

食べ終わった後に、なにかに体当たりしたくなる。
クロスズキには、きっとそういう成分が入っている気がする。

お腹減っていたらぜんぜん食べるけれど、ワカサギがいっぱいある時にわざわざ食べるもんじゃないかなあ。揚げればもうちょっと美味しいのかな。でもまあ、これで一つ見聞が広がった。何事も経験。近頃は食育が大事らしいしな。

こいつの正体を知っているから臭いが気になるのかな。
よし、今度誰かに黙って食べさせてみよう。


買い物してして

こういうの好きかな