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9/10(土)天然鰻の山葵醤油焼き

近所の川で食べごろサイズの天然鰻を釣り上げた。大変うれしい。ちなみに私は東京都在住なので正真正銘天然江戸前鰻。しかも脂ののった秋のくだり鰻。素晴らしい。

釣れた釣れたようなぎが釣れた。


早速泥を吐かせるための収容所(衣装ケース)を買ってきて、エアポンプをつないだ濾過器を入れて、鰻さんにお住まいいただく。水はもちろん水道水100%。塩素抜きとかは面倒なのでしない。前回釣った大物はいきなりお亡くなりになってしまったため、この泥を吐かすという大切な行程をおこなえなかったために大変川臭い鰻になってしまった。今回は一週間ほど毎日水を換えて、川臭くない鰻をいただくのだ。しかし、一週間も一緒に暮らすと愛着がね、もうね、正直、かわいいんだよね。動きとか、胸びれとか、ヌメリとか。シャワーかけるとなんか喜ぶし。名前とかつけたくなる。飼ってみようかなとも思うんだけれど、この巨体を飼育できるだけの甲斐性は私にない。なのでこの子は食べざるを得ないので、水を換えながら「君は食用!」と心の中で訴えつづける毎日なんだな。鰻は食用、泥鰌はペット。出会いって複雑だね。

なかなかの巨体だ。 灯油ポンプでお水を換えます。

シャワーが好きです。たぶん。

せっかくの天然鰻なので炭火で焼いて食べたいけれど、台所で炭火を使うのはかなり面倒なんだよなと。そんなことを考えていたら、神奈川在住のNさんから七輪焼き肉パーティーのお誘いを受けた。確かNさんは以前に「土用の鰻をまだ食べていない」といっていたような気がする。よしこれ幸いと、鰻さんを神奈川まで連れて行くことにした。持つべきものは特徴ある友人だ。もちろん移動は電車だ。生き物を釣れて電車に乗るのは初めてかな。いや、小学生の頃、長野の田舎で捕まえたタイコウチやミズカマキリと乗ったことがある。じゃあ問題ない。よく犬を抱きながら電車に乗っている人を見るが、チワワやダックスフントに比べれば鰻は鳴かないしウンコしないしきっと大丈夫。

そんな訳で焼き肉パーティー当日。二重にした透明ゴミ袋に水道水を入れ、川臭さのなくなった鰻さんにお入りいただく。向こうに着くまでにお亡くなりになっては台無しなので、携帯用エアポンプでブクブクいわせながらの長旅だ。ヨドバシカメラの紙袋にバーベキューセット、小出刃、千枚通し、鰻さんのお出かけセットを詰めたら張り切ってゴー。

なかなかの巨体だ。 地下鉄にて。

そんな訳で鰻さんと今回の会場である神奈川某所の昭和っぽいNさんのアパートに無事到着。監督が温かく見守る中、Nさんに着火剤など一切使わない豪快な火起こしをしていただき、氷水でクールダウンしていただいた鰻さんを捌く。涙は流さない。だって男の子だもん。

着火剤なんかいらない。豪快だ。 監督(Nさんの飼い猫)。

氷水から取り出した鰻さんを取り出して、二枚並べたまな板におとなしくゴロンとなっていただきたいのだが、殺気を感じた鰻さんは野生の底力で懸命にニュルンニュルンと必死に逃げようとし、あわあわあわとコントのように鰻を追いかけ回していたら、ついうっかりNさんの顔面を思いっきり鰻で殴ってしまった。あわわわわ。こうなると私一人ではどうにもならないので、頭、胴、尻尾と三人がかりで押さえつけ、鰻さんのうなじあたりに目打ちで太めのピアっシング。しかしそんなこと位では一向に大人しくならないのが天然鰻さん。3人掛かりのフォールを体中の筋肉を使って吹き飛ばし、セコンドから投入されたタオルごと目打ちに巻き付いてえらいこっちゃ。でも負けない。こめかみあたりから角を生やして鬼の形相でギコギコと鰻さんを捌く。さすが天然極太鰻、身が固い固い。包丁が分速5センチくらいしか進みやしねえ。でも負けない。しかし、人の家で生きた鰻を捌くとは20年前には考えもしなかったな。初対面の人とかいるし。しかしまあ「かわいそ〜」とか「こわーい」とかいう声がまったくでてこないような面子でよかった。モタモタと時間をかけてどうにか捌ききり、ビクビクと動き続ける心臓を横目にみんなで仲良く竹串を打つ。が、身も皮もコモドオオトカゲの如く固くて串がちっとも進まない。串打ち三年、割き八年だっけか。確かに修行が必要だわ。

氷水で冷えていただく。 なんかすごい力強い。

まだ元気だよ。 三人掛かり。

包丁が進まない。 どうにか開けたよ。

串がうまく刺せないでごわす。 鰻と一緒に焼かれる内蔵とか内蔵とか内蔵とか。

皆さんのご協力によってどうにかこうにか捌くことのできた鰻さんとNさんが用意してくれた内蔵とか内蔵とか内蔵とかサンマとか野菜とかを持って、七輪が待つ縁側へ移動。七輪といえばサンマだ。明日目黒のサンマ祭りにいく人もいるが気にせず焼く。私は今日食べたいのだ。

総勢10人くらいで七輪を囲み、話したり焼いたり食ったり飲んだりと好き勝手な時間を過ごす。軽く塩胡椒した鰻さんは、焼き上がったところで醤油をジュジュっとかけて、山葵をたっぷりとのせて食べた。一人当たり4平方センチくらいだったけれど、前みたいに川臭くもなく脂乗り乗りですこぶるうまかった。肉もサンマも野菜もお酒もおいしかったし、いろいろな話も聞けてとてもおもしろかった。今となっては何話したかちっとも覚えちゃいないのですが、そのみんなと過ごした時間ってやつが、ウナギ同様に私の血となり肉となるんだろうなとジジ臭いことを思ったり。

肉やら鰻やら野菜やら。 このくらい山葵をつけたい。

サンマは大事だ。 楽しげな様子その1。

楽しげな様子その2。 楽しげな様子その3。

お腹いっぱいになったところで、今年最後であろう花火をちょこっとやる。笑い声の合間から聞こえる鈴虫の鳴き声に、もう夏が終わったんだなあと思った。そうか、じゃあ次は芋でも煮ましょうかね。


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