2003/9/14(日)内房岩井にクロダイを釣りに行く


はるばるきたぜ内房。

今回は、内房のはずれ、岩井という「ゆうゆ」なところまできた。前にマゴチ釣りに きた富浦の近くだね。今度の狙いは「あこがれの魚シリーズ第三弾(マゴチ、ヒラメと 釣れたことなし)」、黒鯛を釣りにきた。黒鯛といっても、埼玉育ち淡水育ちカナヅチの私に釣れるとは思えないので、とりあえずは謙虚に黒鯛の子供、カイズ、チンチン狙いだけど。ちなみに黒鯛はブリとかと同じ出世魚で、チンチン、カイズ、クロダイと成長するらしい。チン チンカイーズクロダーイ。ねっ。

今回の情報源となった、図書館で借りた昨年の「釣り人」という釣り雑誌10月号によると、朝にカイズの入れ食いを楽しみ、昼は釣った魚を七輪で焼き、お昼寝しておうちに帰るのが内房のゴールデンプランだそうだ。そりゃ楽しそうだ。この時期のカイズは漁師も「うまいおー。塩焼きは最高のご馳走だおー。」と唸る素敵なヤツだ。と いうわけで、クルマには当然のように釣り道具+七輪セットが積んで出発。釣り道具より場所をとるぜ。

釣り場には日の出の五時半までに釣り場に着けばいいのだが、釣りの前はどうせ寝ようとしても興奮して眠れないので、夜中一時半に家を出発し、途中、木更津の釣侍という鯔背(いなせ)な名前の釣具屋で人二人コロしていそうな店長のオススメ「イワイソメ(またの名をマムシ)」を800円分購入。ちょっとお高いけれど、いつものアオイソメよりぷっくりとしたナイスバディ。明らかに高級感があふれ食欲をそそる素敵 な虫だ。「フクロイソメ」というのもあるけれどチンチンのエサにフクロイソメというのも微妙なので今回はパス。釣侍は見慣れない「素敵な虫」や「コマセ混ぜ場」とかがあって大変たのしい。倦怠期のデートに最適。

うにょうにょ
イワイソメ。いやあ、ぐっとくるねえ。

真夜中の館山自動車道を休憩なしで勢いよく岩井に向かったら、まだ真っ暗の夜中三時半についてしまって戸惑う。思ったより近いね岩井。駐車場にクルマを止めて、おりて一言。「うん、海臭い」。駐車場の裏に定置網が干してあって鼻曲がるぐらいクッサイ。都営大江戸線の築地市場駅くらい臭い。が、五秒で馴れる。

で、夜釣りの準備はしていないので、とりあえず懐中電灯を持って釣り場のチェック。常夜灯のない真っ暗な防波堤を懐中電灯の灯りだけで歩くっていうのは個人的に大変楽しい。ウキウキブギウギしながらなにかいるかなあと海面を照らしてみると、おお、なにかがプヨプヨと泳いでいる。クラゲかなと思ってよく見ると、おお、イカ じゃん!こうしてはいられないとダッシュでクルマに戻り、網をひったくってイカ掬い開始。私の釣りはハゼやらセイゴやらイカやら網で掬ってばっかりだ。

海面から懐中電灯で照らすとウニャウニャとやる気無くイカが泳いでいるので、イカの進行方向を考え、頭からそっと網をいれ、イカを掬う。が、暗くてよくわかんな い。とりあえず網をあげて照らしてみると、おお、小さいけれどまぎれもないイカが網の中に。透き通る肌が暗闇で怪しく光るぜ。あ、墨吐いて真っ黒になっちゃった。イカ掬い、すっげえ楽しい。で、一匹掬ったら次は二匹目と、イカを探しては網をいれるものの、イカも仲間が拉致され警戒したらしく、微妙に深いところや、ちょうど網が届かないところにいるためなかなか掬えない。掬えそうなところにいても、こちらが網を構えた瞬間、イカは殺気を感じて墨を吐いて去ってゆく。くうぅ。燃えるぜ。イカ掬い。

プシュウ
掬われるイカ。墨で真っ黒。

で、夜明けまで戦って、結局3匹のイカを獲得。打率でいったら絶不調の新庄くらい。微妙。夜が明けたので、今日の本命、カイズ釣りに突入。今日のテーマはプラス思考だ。

「釣り人」10月号曰く「内房流の仕掛け」だという、延べ竿に糸つけて針つけて、針の根本に カミツブシオモリをつけただけという、小学生のフナ釣りよりやる気のない仕掛けに、イワイソメを2センチ程に千切ったものをつけて薄暗い海に投入。狙いは岩場に潮がぶつかっているところだ。

一投目、エサ盗られた。よし、魚はいるな。
二投目、エサ盗られた。よし、魚はおおいにいるな。
三投目、根掛かり。ハリス切れた。よし、ナイスな障害物があるな。
四投目、反応なし。まあそんなときもある。
五投目、反応なし。まあそんなときもおおいにある。帰ろうかなあ。
六投目、お、竿にぐぐっと伝わるサカナの感触、すわ、クロダイか!。内房流はリールのない仕掛けなので、ある程度サカナが大きいとなかなかデンジャラス。サカナらしきまだ見ぬ今日初の獲物を、竿先を右に左に振って疲れさせたところで、一気に「にんじんだけのきんぴら」ごぼう抜きにする。

釣り上げた魚は、20センチほどのアイナメ!かと思ったらクジメだ!。微妙にマイナーだぜ。まあいいけど。

とりあえず一匹釣れたことに気をよくしてニヤニヤしながら仕掛けを海に入れ続けると、なにやら根掛かりのような鈍いアタリ。慎重にぐいぐいと引っ張るとどうにかあがってくる。海草かなにかと思ってあげてみたら、おお、甲羅が10cmくらいのカニが上がってきた。なんか手足がもげているけど。でもこのくらいの大きさだとみそ汁にして美味しいのでキープ。

そしてまた続けざまにカニ。ちょっとサイズアップ。しかも今度はちゃんと手足が全部ある。よって指を挟まれる。イタタタタイ。お約束。なんか最近カニばっかり釣れているな。オレ。

クジメにカニ×2。なに釣りにここまできたんだっけかなあ、まあなんでもいいべやと自問自答しながら釣りを続ける。本日の岩井海岸、釣り場はゴミもなく混雑していない。天気、景色、潮風、すべて最高!。とても気持ちいい。ああブルガリアヨーグルトがうまい。ぼへえ。と爺さんみたいな気分になっていたところにとっても微妙なアタリが。大した抵抗もなく上がってきたのは、チビカレイ。じゃない。左を向いたこのお体は、ヒラメじゃないか。ちっこ!。今まで生きていた人生の中で一番小さいヒラメだな。「これを唐揚げにすると旨いんだ!」って思えないほど小さかったので写真だけとってリリース。オーキクナレヨー。

釣れません。 アイナメにあらず カニカニカニ チイサ!
本日の釣り場。 クジメでやんす。 カニ。手足が全部で3本しかない。 ヒラメ・・・。悪かったって。

こんなところであんなヒラメを釣ってしまった。なんで鹿島で釣れずに岩井で釣れるかな。なんだか我が人生のヒラメ運を無駄遣いしてしまった気がする。カナスイ。そして次に釣れたのが、ダイナンウミヘビ。絡みつく糸をほどいてリリース。どうせ絡みつくならウナギかアナゴにしてくれよう。わたしはなにしにきたのかしら。メソメソ。おっと、膝に落ちる涙を拭いていたら、今度は今までで一番のアタリが!。涙は一瞬で乾く。竿から伝わる感じから、今度のはでかいなと確信するのだが、なんだかアタリがドン臭い。ローキック食らって動けなくなったヘビー級アメリカ人ボクサーみたいな引きだ。竿を両手でもって力任せに釣り上げると、うわあ、超危険毒魚「ゴンズイ」だあ。しかも30センチ級の大物だ。無駄にでかい。よかった、手で掴まなくて。

ニョロニョロ さわっちゃだめよ たすけて〜 石田純一
災難に遭うダイナンウミヘビ。 毒魚です。気をつけて。 網でシラスの元を掬ったりもする。 なんといってもブルガリアが似合うに。

ミスター毒魚ゴンズイ、実は「みそ汁にすると結構ウマイ!」という噂なんだよなあ。せっかくだから毒鰭のある頭部をスパっと落としてクーラーボックスへ。まわりの人がゴンズイを持ってかえるワタシを珍しそうに見守っててちょっとハズカシイ。

本日の釣果は、クジメ、カニ、ヒラメ、ダイナンウミヘビ、ゴンズイ。よし、内房五目釣り達成!ってなに釣りにきたんだオレ。疲れたので帰る!。七輪出番なし!。


で、家。さてこの魚介類をどうしようか。塩焼きとかはちょっと面倒臭い。そんなときは全部ぶつ切りにしてまとめてみそ汁に限る。

昆布ダシの中に放り込まれるぶつ切りのカニ、クジメ、ゴンズイ、イカ。味付けにすり下ろしショウガ、塩、日本酒。弱火でコトコト煮込んだら、仕上げに赤みそを溶かして一煮立ちしたら完成だ。熱々をアツアツといいながらアツアツご飯と共にいただく。

まず汁を一口。うおお、怪しげな魚介類のダシがたっぷりでた汁がうま〜い。
カニをがぶり、味が濃くてうま〜い。食うとこあんまりないけど。
クジメをがぶり、白身の身がしっとりとしてうま〜い。小骨だらけだけど。
イカをがぶり、新鮮だけに歯ごたえもっちり。中からあふれ出てくる肝の味が最高。墨袋とってないので食べるとお歯黒状態だけど。
ゴンズイをドキドキしながらカプリ。おお、びっくりした。魚っぽくない。ちょっと癖のある白身で、全体にぬめっとした食感。でもなかなかミソとあってこれはこれでウマイ。と思う。好みわかれるかも。

いやあ、内房流みそ汁最高!。すっげえウマイ。たぶん内房の人は食べてないだろうけど。

ピーカン 挟むな危険
天気はいい。天気は。 とっても強そうなカニ。

毒魚 アツアツをどうぞ。
ゴンズイ。いいんだけどね。 内房風ブイヤベース。

クロダイだけが魚じゃないさ。なあ。

買い物してして

こういうの好きかな