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2004/8/15(日)お盆に某川でうなぎ釣り


また某川でうなぎ釣りをしてきた。実のところ、7月末にも前釣れた場所と同じ場所に、やる気鰻鰻でうなぎ釣りにきていたりするのだが、その時は異常な猛暑の影響で大地がカラカラに乾いてしまい、釣りの餌にするミミズがまったく見つからなかった。仕方なくスーパーで買った鶏レバーでやってはみたものの結局一匹も釣果なし。その上、隣で釣りをしていたガキ共に太めのウナギを釣り上げられてしまったので悔しくて標本に書かなかった。ちなみに使っていたエサはもちろんミミズ。そのミミズ俺にもくれ。

あ、いいな。本気で悔しいぞ。 ご立派。

寂しく花火とかしてみる。 鶏レバー。ちょっと無理があったみたい。

そのガキ共は、釣れたウナギをビニール袋に入れて持って帰っていたが、ちゃんと母親に怒られただろうか。私が小学生、中学生時代、そのウナギを釣った中学生同様に、近所の川で、コイ、フナ、カエル、ザリガニ、ナマズなど、たくさんの水中生活者を捕まえていた。しかし、捕まえるまでは楽しいけれど、捕まえたからといってどうするという目的がない。家に池でもあれば飼うこともできるのだが、家の庭には漬物樽くらいしか存在しなかったので、飼育できるのは小さなフナまで。あるいはカラスでも飼っていればエサとして与えることもできるのだが。自分が漁師の家に生まれなかったために、大物を持って帰れば帰るほどに母親の眉間に皺が寄るという不条理。たとえウナギを持って帰っても嫌がられたことだろう。

その点、大人になった今なら、ウナギを釣ったら、捌く、焼く、食べると楽しむことができて大変お得だ。別にコイやフナやカエルでも捌いて食べられないこともないのだが。どちらかといえば食べてみたい気もするが。という訳で、釣った魚は何でも自分で料理して食べる大人になりました。めでたしめでたし。


で、話を戻すと、今日は都合により山形でのお目覚め。せっかくなので夜明けと共に渓流釣りを楽しもうという算段だったけれど、まだうす暗い山形の天気は、今日に限ってドシャドシャと雨が降っていたので雨天中止。二度寝後、九時頃再び目を覚ましたら、すっかり青空が広がっており地面はすでに乾いている。どうやら私が起きた夜明けのその一瞬だけ雨が降っていたらしい。なにすんだ山形。

山形。線路一本。 Uターンラッシュの取材。


いつもミミズを掘っている公園のはじっこを園芸用シャベルで掘る。掘る。掘る。掘る。うんとこしょ、どっこいしょ、けれどもミミズはおりません。どうやら雨はちょこっと振っただけのようで、乾燥しきっていた地面を深くまで湿らすにはいたらなかったようだ。表面は濡れていても、その1センチ下にはカチカチの乾いた土が待ち受けており、ミミズのいる気配はまったくない。こんなことなら山形でミミズ掘ってくれば良かったと本気で後悔。

公園をほじくり返す。捕まります。 表面は濡れているんだけれどね。

ミミズを掘り当てることができなければ釣りにはならないので、少しでも湿ったところを探して、公園を移動しながらほじくり返す。うんとこしょ、どっこいしょ、まだまだミミズはおりません。シマシマの藪蚊に食われながら汗だくで土をほじくり返していたら、ウォーキング中の初老の紳士がやってきて、「ミミズを掘るならここじゃダメですよ」と、私を誘(いざな)う。釣りをしていて声をかけられることはよくあるが、ミミズを掘っている段階で声をかけられたのは初めてだ。ハラハラ。

痒い。ちなみに首です。


せっかくなので、用心のため、お尻をきゅっときつく閉めて紳士についていく。「さあ、ここがいい」と紳士が自信満々に指さす場所は、さっき私がほじくり返してダメだったところだ。だめだこりゃ。しかし、そんな経緯を説明するのは面倒くさいので、紳士にいわれるがままにあっちを掘ったりこっちを掘ったり。「ほら、ここに誰かがすでに掘ったあとがある」と力説する紳士。それは私がさっき掘った後だとは今更言えるわけがない。

うんとこしょ、どっこいしょ、当然ミミズはおりません。紳士は私からシャベルを奪い、一心不乱に土をほじくり返している。ああ気まずい。紳士は間を持たせようと「千葉の川では、シラスをエサにすると鮎が100匹くらい釣れるんです」と語り出す。空気が重い。

しまいに紳士は、手が汚れるのをいとわずに、コンクリートでできた排水溝の蓋をむんずと持ち上げ、排水溝に溜まった土をほじくり出した。うんとこしょ、どっこいしょ、とうとうミミズがおりました。紳士は紳士なのでミミズの見つかった喜びを表には出さず、心の中で小さくガッツポーズ(妄想)をすると「あとは大丈夫だな、じゃあ二時間後に釣り場で!」と言い残して去っていった。ありがとうミミズ紳士。あ、釣場を伝えるの忘れた。まあいいか。

ミミズ発見。紳士よ、ありがとう。


いつものように、いつもの場所に、いつもの竿を3本並べて、紳士が見つけてくれた葛飾産ミミズに東京湾育ち某川在住のウナギが食いつき、竿先につけた鈴が鳴る時をぼけーっと待つ。まだ日が高かったので、山形からの新幹線の中で、半分くらいまで読んでいた島田雅彦の「ひなびたごちそう」を寝っ転がって読む。当然無性に腹が減る。

ハゼ釣りもいいなあ。 屋形船もいいなあ。

グーグー腹を鳴らしながらキムチの話を読んでいるときに、今日初めての鈴が3秒ほど激しく鳴った。起きあがって竿先を見る。次に鈴が鳴るのを待つか、すぐに巻き上げてしまうか。釣りは、このアタリがあってから竿を握るまでの不安定な時間が結構楽しい。しばらく待ったが鈴は鳴らず、待ちきれずに巻き上げてみると、葛飾産のミミズが半分になっていた。どうやら小食のウナギだったらしい。

某川のちょうど上流に、紫色の太陽が落ちて本が読めない暗さになった。さてどうやって時間をつぶそうかと思い出した頃、再び竿先の鈴が鳴った。さっきとは違い、鈴は鳴り続けている。これはウナギに間違いないと、竿を強く握りリールを巻く。ずっしりと大物の手応えがライン越しに伝わってくる。子供の頃によく釣った鯉や鮒のまっすぐなヒキとは違う、ねりょんねりょんとしたウナギらしいヒキ。じっくりとリールを巻き、えいやっと竿を立てて某川の水面から抜き上げた獲物は、まさしく私があこがれていたお徳用サイズの天然うなぎ。写真を撮る余裕もなく、うなぎが釣り糸にからみつく前に針を外してバケツに放ち、放心状態でうなぎを眺める。

うーなーぎーおーいしーこーのーかーわー。
うーなーぎーつーりしーこーのーかーわー。
気がつけば一面のひまわり

みごとなSの字。逆か。

大きい。大きめのバケツを持ってきたんだけれど、Sの時にならないと収まりきらない長さ。そして太い。前回釣った二匹を足してもまだ足りないほどの重量感。街の鰻屋や魚屋でみるうなぎよりも立派に見えるのは自分が釣ったうなぎだからだろうか。どう考えても美味しそうだ。

このサイズのうなぎなら一匹釣れれば上等なので、風邪を引く前にさっさと帰り支度。当然私の頭の中は、このうな吉をどうやって食べようかということでいっぱいだ。せっかくの天然ウナギなので、前から欲しかった食卓用のミニ七輪を買おうか本気で悩んでいる。炭火で焼きたてを頂きたいなと。どうしよう。

とりあえず泥抜き中。

ありがとうミミズ紳士。

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