2003/11/23(日)最後の富浦ボート釣りでシロギスを釣る


また富浦に行って来ました。この週末で富浦のボート釣りは禁漁になるため、今度こそ、今度こそ本当に今年最後のボート釣りです。いや、本当に。

前日、天気をチェックしようとYahoo!を開くと、いきなりトピックスに、「今年一番の寒波到来」みたいなのが乗っているが無視して決行。北北東の風だから厚着すれば 大丈夫でしょうと自分を言い聞かせて、仕掛け作りに勤しむ。

今回、いつもお世話になっている日の出ボートは今年の営業が先週末までだったので、今年の夏、一番最初に富浦にきた時にお世話になった時にアンカーがきかないほどの強風で流されて泣きそうになってケイタイに電話したら「今お昼時で忙しいからちょっとまってて」といわれてブイにしがみついて大粒の涙を流して以来いっていなかった富士屋ボートに予約をいれる。ちなみに日の出ボートと富士屋ボートはお隣さんだ。

今日の釣りは、前に江戸川でハゼを一緒に釣った足のサイズがボブサップと似たり寄ったりの友人と、今年初「人のクルマでの釣り」なので、新小岩駅前で待ち合わせ。 AM03:00頃、近くまできたとの連絡をうけ、ダッシュで駅へ。が、待てども待てども クルマはこない。チワワのようにプルプルふるえて凍えながら待っていたら、お巡りさんに職務質問されたりされなかったり。15分後、やっとクルマが到着。なんでも工事のため片側通行になっていた道を警備員の誘導に合わせて進んだところ、来るはずのない対抗車がきたためにあわてて路地に入ったら迷子になってなぜか小岩駅にいってしまったそうだ。年末になるとやたらと道路工事をする行政が悪いということで。

どうでもいいが、普段釣りをしない人に、「釣りに行くから汚れてもいい格好でくるように」というと、なんでみんな「ユニクロ」を着てくるんだろう。

アパート前にクルマを移動し、こっそりと荷物を積んでAM03:30に出発。順調に京葉道をひた走り、市原のパーキングで一休み。運転しないのでラクチンだ。トイレトイレとつぶやきながら一歩クルマから外にでると、吐く息が白い。なんか館山自動車道で南房総へ釣りにいくというよりも、上越自動車道で新潟へスキーにでもいくかのようなお寒い天気だ。まあ嘆いても寒いものは寒い。暖かいペットボトルのお茶を買って胸元に入れて、「つっぱることがオトコの〜たった一つの勲章〜ツッパリハイスクールロクンロール〜ツッパリハイスクールロクンロール〜竿も持ったしリールも持ったし〜」とうろ覚えでCMソングを歌いながら出発。木更津南インターでおりて、「釣侍」へ。

本日は前回同様、シロギス釣ってエサにしてヒラメやイカを釣ろうツアーなので、シロギスのエサにジャリメを購入。同行人は、はじめてみるユムシの姿形にいたく感動したらしい。買わないが。ユムシは食べるとうまいらしいよ。

鋸山を高速でエイッと跨いで富浦に到着。セブンイレブンで朝飯、昼飯、氷などを購入。なんかレジでクジを引いたら黒糖飴が当たった。ちょっとウレシイ。どうでもいいが、この辺のコンビニは、夜明け前から釣り人とヤンキーで店内はいっぱいだ。

そんな感じで六時ピッタリに富士屋ボートに到着。が、暗い。さすが11月23日、日の出が6:30じゃあ暗いはずだ。

ノロノロと道具を準備して、薄暗い富浦湾へ、いざ出船。心配された風や波は問題なし。ただ、抜群に寒いだけだ。そんなときは腰にホッカイロを貼って我慢すればOK。

天気は悪くない。ただガムシャラに寒いだけ!

ポイントにつき、富士屋の若大将より、「アンカー入れないで流し釣りでやって」と勧められる。流し釣りっていうのは、アンカー入れないでフラフラと流されながら広範囲を探り、しばらく流されたらオールで元の場所に戻ってまた流されるという、シロギス釣りの王道だ。が、オールを漕ぐ気がサラサラないので速攻アンカーを落として釣りはじめる。ゴメンよ若大将。貧弱で。

ところで、やはり手漕ぎのボートっていうのは大人二人で乗るとちょっと小さいですね。特に今日は遠くから見るとワールドカップバレーの控え選手みたいな人が後ろに乗っているため、十円玉を後ろに載せたチョロキューみたいに船体がウイリーしている。ああ懐かしい。

おニューのブーツが格好いいね!

不安定なシロギス仕掛けをアバウトにレクチャーして釣り開始。ジャリメをずるずると引きずると早速アタリが!。同行者にだけど。10cmくらいのチッコイシロギスを早速ゲット。その後もポンポンとキスが釣れ、「こんなに簡単に釣れるんだ〜」と素直な感想が。その時点で私はまだ釣れていなかったりする。いいんですが。適当なシロギスをエサにイカ、ヒラメ狙いの仕掛けをちゃぽん。心の中のBGMはなんとなく「瀬戸の花嫁」。

釣りを始めて一時間もしないうちに、なんだか同行者の顔色が、彩度を15%下げてシアンを20%足したような色になってきた。あらあら船酔いだって。仕方なくボート備え付けの赤旗を振って富士屋ボートを呼び、同行者だけいったん陸揚げしてもらうことに。

富士屋の船が近づいてきたので竿が邪魔になってはいけないと仕掛けをクルクルと巻くと、無惨にもイカに食べられたシロギスが「頭残して針にかからず」状態で上がってきた。むかつく〜。名残惜しそうな同行人を乗せて富士屋ボートは去ってゆく。ボクは「ドナドナ」を歌いながらお見送り。去り際、富士屋ボートの若大将に「アンカー入れないで流し釣りしたほうがいいよ〜」と念を押される。それでももちろんぼくはアンカー入れっぱなし。ドナドナドナドーナ〜。

おお、でかい。
ナイスキス。
おお、無惨。
イカノバカ。

残されたボクは、富浦湾ひとりぼっち。ああ、石原裕次郎。

シロギスを一人ひっそりと釣り続ける。前回はシロギス仕掛けにタコやらタイやらホウボウやらメゴチやら色々釣れておもしろかったんだけど、今回は延々とシロギスが釣れる。釣っても釣ってもシロギス。シロギス釣りにきてシロギスが釣れて文句を言ってもしょうがないんだけど、個人的に外道好きなのでちょっと悲しい。キスキスキスってAKIMA&NEOSじゃないんだからと日本で50万人に1人くらいしか通じないボケをぽつりとつぶやく。


十二時を前に、そろそろ同行人は復活したかなあとケイタイを覗くが着信なし。夕食分くらいは釣れたしまあいいかとのんびりとした気分で景色をみると、はて、すぐ近くにあった岩がすっごい遠くにある。あれ、アンカーは確かにいれたのでそんなはずはと周囲を見ると、明らかに流されているじゃないですかい。ナゼナゼナゼとアンカーロープを引き上げると妙に軽い。引き上げたロープの先には、あるはずのアンカーはなく、茶色くさびのついた結び目だけが悲しく残っていた。どうやらアンカーとロープを結ぶ部分が腐って壊れたらしい。ぼくは知らず知らずのうちに富士屋ボート推奨の流し釣りをしていたのね。これを人は「富浦流し釣りの呪い」という。またかよ・・・

教訓:海は鉄を腐らす。

ここにアンカーが結んであったはずなのに!

ヤバイヤバイと急いで富士屋ボートのケイタイに電話。が、こんな時に限って電話にでやしない。ボートをうまく漕げる自信は全くなし。ぼくは鳥でいったら「飛べない鳥」、「唄を忘れたカナリア」、「言葉を覚えないオカメインコ」、「舌を切られたスズメ」なので、「漕げない釣り人」そして「泳げない釣り人」である。スチワーデスでいったら「ドジでノロマなカメ」ですわん。とはいっても漕がないことには流される一方。仕方なく竿を片づけてオールを手に持ち、漕いで最初のポイントにいくことに。悲しい。

教訓:ボート釣りはボートが漕げてこそボート釣り

「ナミーノータニマーニーイノチノーハナーガ〜〜〜〜」
兄弟船を歌いながら、エッチラオッチラボートを漕ぐ。

「フターツーナランデーサーテイール〜〜〜」
ところでボクと兄はと釣りが共通の趣味だが、会話が成り立たないので一緒にいったことはない。

おやおや、なんか思ったより漕げるぞ。さすがにボートに乗るのが今年7回目くらいなので、少しは上達していたらしい。兄弟船のリズムにあわせてオールを回せば調子よく船が進んでいくじゃないですか。あれですね、飛べないと思っていた醜いアヒルの子が、ある日、羽を羽ばたかせると空を自由に飛ぶことができたってやつ。わたしは白鳥だったのね。姿形はおいておいて。が、生まれたての白鳥は持久力とか生命力とかいったものを持ち合わせていないため、遠くに見える富士屋の船に赤旗を振ってSOS。新しいアンカーをつけるためにいったん帰港。ずっと漕いでいられるか!

教訓:無理はよくない

帰港したついでに、どうにか復活した同行人をピックアップ。再度シロギス釣りに。

船酔いから復帰した同行人と私は、その後も順調にシロギスを釣り、そのシロギスをエサにして、順調にイカに食い逃げされるという富浦食物連鎖の黄金パターンを繰り返し、風が強くなってきたので終了となった。餌木を投げたりもしたのだが、結局イカは釣れなかった。悲しいねえ。

綺麗に頭だけ残して食べられてしまった。

帰りの車中、助手席で「寝てはいけない!」と思うものの、前日寝ていなかったので3分ごとにフ〜っと意識がなくなり、そのたびビクンとなる。そんな健気な私の姿を見て同行人は、「気が散るから寝てていいよ」だって。お言葉に甘えて事故渋滞の中、昏々と寝続ける。ぐう。

お家に帰って、シロギスを半分持って帰った同行人に「ウロコと内臓は食べないように」とメールを送ったら、「でも頭と骨は食べました」と帰ってきた。シロギスの大きい方から選んで渡したので、さぞかし歯ごたえがあったことだろう。彼の大きな体の秘密が少しわかった気がする。

今年のボート釣りは漂流に始まり、漂流に終わったなと。
来年の富浦は3/20オープンです。

買い物してして

こういうの好きかな