11/05(土)大津湾の石田ボートでイシモチ、アジ釣り

 

11/3に京急大津駅の大津湾からボート釣りをやった話を私的標本にアップした後すぐ、ウナギ釣り場でしかあったことのない修行僧の人(見た目の問題として)から、「今週土曜日、行きましょう!」と無茶なメールが来た。いやいや、私はいったばかりで体が疲れきっているんだよ、年老いた私を殺す気ですか、そんなの行くに決まっているじゃいか。でも体力的にボート漕ぐのとアンカーを上げるのは無理なのでお願い。

そんな訳で中一日でのボート釣りという、今までで一番短い登板間隔でのスクランブル発進に出発。ほら、大津湾に置いてきてしまった「イシモチ」という青春時代の忘れ物をとりにいかないとね。今回は二度目の大津港なので、どのポイントで、どんな道具で、何が釣れるかがある程度わかっているので、きっと前回以上の大漁だ。きっと。

そんな訳で当日の朝。修行僧の人も車がないので、釣りは自転車でウナギか友人の車で行く派。そんな修行僧と私なので、当然今回も一昨日同様電車での釣行。使っている路線がJRと京成なので、お互いが最寄り駅から始発で出発して横浜駅で落ち合い、京急大津へと向かう中途半端な現地集合。車を所有していた頃は、電車釣行っていうのを面倒くさそうだなあと思っていたんだけれど、実際にやってみると行ける場所は限られているけれど、少人数で行く場合は大津とかだったら高速代+ガソリン代に比べて電車賃の方が安いし、運転手付きなので寝ていても着く。朝早く出るから座っていけるし、帰りの渋滞もないので早く着く。楽だ。人身事故で電車が止まったり、寝過ごしてとんでもないところに連れて行かれる場合もあるが。まあ大津だと富浦に比べてボートを漕がないといけないという問題もあるが。

前回に比べてコンパクトな道具。 前回に比べてカッコイイ写真。

電車なので予定時間通りに無事京急大津駅に到着。相変わらず駅から海まではクーラーボックスを持った釣り人が10メートル置きに配置されていて愉快愉快。コンビニ経由で前回と同じく石田丸の石田ボートにいき、アミブロック2つ、アオイソメ2つ、オキアミ1つとボートレンタルをして5800円。割り勘して一人2900円なのでやっぱり一人で乗るより安いなと。ちょっと居酒屋いくのとかわらんね。

海に向かって点々と釣り人が続く。 あいかわらずボート屋がいっぱい。

アミコマセを買うと、おばあちゃんがハンマーで殴って解凍してくれるよ。

ボート屋のすぐ裏にある船着き場に荷物を持って移動。座布団と救命胴衣はボート屋が貸してくれる。手漕ぎボート「石田丸」にシュタっと乗り込み、大海原へ意気揚々と出発進行。当然私はアンカーとオールのないボートの後ろ側に陣取る。これ大事。

がんばれエンジン。 もうすぐ、もうすぐ。

修行僧「まだ先?」
私「もうちょっと」
修行僧「まだ先?」
私「もうちょっと」
修行僧「まだ先?」
私「もうちょっと」
修行僧「まだ先?」
私「もうちょっと」
修行僧「まだ先?」
私「もうちょっと」

そんな不毛な会話を30分以上繰り返しながら、風は弱いが結構うねる大津湾を突き進み、前回あまりに遠いので行かなかったボート屋さんおすすめのポイントらしき場所に無事到着。地図ではポイントがどこだかわかっていても、実際に海に出てみると、ここがどこだかどこがポイントなんだかまったく見当がつかないがたぶんここで合っているはず。大津名物のコンクリアンカーを景気よく海に投げ捨てて釣り開始だい。しかし二人乗りのボートでこんな遠くまで漕げるなんて君はすごいなあと褒め讃えておこう。ちなみに彼は山登りが趣味らしい。私が「このリュックで今年富士山に登った!」といったら「このカッパで昔チベットの5000メートル級の山に登った!」と切り返された。

御来光。 真ん中あたりに見える四角い建物あたりが出発点。ね、遠いでしょう。

まずは手堅くアジのサビキ釣りでもやろうかなと。この辺は水深が深過ぎて使えないだろうなと思いつつももしかしたら根の上で使えるかもと思って魚群探知機を浮かべてみるがやっぱり深過ぎて使えなかった。どのくらいの棚にしようかなあと迷っていたら、すぐ近くの乗合船からスピーカーで「アジは底付近にいますからね。底から1メートルから3メートル切ってやってください。」とアドバイスが聞こえてきた。サンキュー。よし、乗合船がいるということはこの辺にアジがいるということだ。15号のオモリを付けたサビキ仕掛けを海底めがけて投入。が、なんかすごい勢いで流され、糸が45°の角度で落ちていく。いかんいかん、これでは釣りにならないとオモリを20号に変えてもやっぱり40°で落ちていく。あれー。仕方ないので錘付加10号の1.1メートルシロギス竿に小型スピニングリールの限界を超えた30号オモリを修行僧から借りて無理矢理投入。よしどうにか10°位になったので大丈夫っぽい。竿が大丈夫かは別問題だが。アジ釣りの準備ができたところで、前回の忘れ物、イシモチを釣るべくボート屋で買った仕掛けにアオイソメを付けて投下。こっちは置き竿で放置プレイ。

アジの乗合船。アドバイスありがとう。 イシモチの仕掛け。

アジの仕掛けをコマセを変えながら何回か投入しているがちっとも釣れる気配がない。やばい、このままボーズで終わる気配がプンプンする。さっきまで近くで見守っていてくれた釣り船もどっかにいってしまった。あわわ、ということはアジもどこかにいってしまったのねと悲しくなったその瞬間、修行僧と私の竿にダブルヒット。ヤッターヤッターヤッターマーんと重いオモリをぶら下げているので必要以上に手応えのあるリールを巻きあげると、前回の平均サイズよりもさらに一回り大きいアジが釣れた。エラブタの下を指で引きちぎって血抜きするといいよと富浦生まれ成田育ちの修行僧がいうのでブチッとやる。なるほど確かに血が出るな。これを海水の入ったバケツにしばらく入れておいて、その後保冷剤と海水をタップリ入れたクーラーボックスに入れれば美味しく持って帰れる。

さすが陸からえらい遠いところまで来た介があったらしく、どうやらボートの下には結構な数のアジが群れていて、ダブルヒットとかしやがる。しかもどれも20センチはある大きさで、ヒキがめっぽう強い。くう、楽しい。

8時24分。やっと本日初のアジ。 ダブルだダブル。

本日のお弁当。パン詰め合わせ。私はボートに乗ると酔わないで腹が減るタイプだ。

アジが釣れてワーイワーイと喜んでいたら、コマセを足そうとリールを巻いていた修行僧の竿に大きなアタリが。サバかなイナダかなと見守っていたら、なんか細長い銀色のやつが上がってきた。おお、30センチオーバーのうまそうなカマスだ。釣れたの初めてみた。しかも修行僧曰く「ウマい方のカマス」らしい。悔しい。

大物らしいぞ。 でかいカマスだな。

悪者顔。

いいもん、私の狙いはイシモチだもん。ほったらかしにしていたイシモチ狙いの竿のエサ好感をしようかな。さすがに30号の錘は両軸リールでも重いなあとブツブツ文句をいいながら上げてみてビックリ。ブラーンと一昨日の忘れ物、イシモチさんがぶら下がっているじゃないですか。やったーと猿島に向かってガッツポーズをしたいところだけれど、釣れていたことに全く気がついていなかったので釣った実感が薄い。でも地味にうれしいの。せっかく釣れたイシモチなので、美味しく食べるためにエラブタの下をハサミで深めにちょん切って血抜きをおこなう。予想以上に血がピューピューと吹き出してきて若干焦るが、こうすると美味しいってどっかのサイトに書いてあった。ちなみにこの魚は話しかけるとグーグーと返事をしてとても愉快だ。いや、本当。

釣れたよイシモチ。 浮き袋がベローンだ。

血があああ。

いやあ、この調子だと釣れすぎちゃってクーラーボックスに入りきらないなあと話していたのだが、釣れ始めてから一時間もしないうちにぱったりとアタリが止まってしまった。やばい。釣れない場所で粘っていてもしょうがないので、大津名物重いアンカーを引き上げて(修行僧が)、あっちこっちとボートを移動させながら(修行僧が)、魚群探知機を頼りにメバルやカサゴがいると思われる根を探す。根っていうのは海底で高くなっているとこのことね。この魚探は水深24メートルまでしか測れないのだが、根まわりだときっとそれより浅いはず。あっちだこっちだと私の根拠のない指示のもと移動するも、根は結局発見できず。移動を開始してからの2時間半の間で釣れた魚はヒイラギ一匹。うーん、もうちょっとちゃんとした魚探が本気で欲しくなってきた。

アンカー重いでしょ。 まあおいしそう。リリース。

確か一昨日も朝のうちだけ釣れて、その後一切釣れなくなったので、それと同じパターンかなあとだんだん不安になってきた11時半、もうここで釣れなかったら帰ろうねと固く誓って最後のアンカーを降ろす。まずはイシモチ仕掛けを沈め、アジの仕掛けをサビキから二本針に変えようかなと手にしたその時、イシモチの竿がガクンガクンと揺れだす。数時間ぶりの魚らしいアタリにウヒョヒョヒョヒョとリールを巻くと、本日二匹目とるイシモチが釣れているじゃないですか。ちゃんとアタリを確認して釣ったのでとてもうれしい。やっぱりヒキは重たいだけだが。釣れなくなってから苦節2時間半、ようやく、ようやく魚のいるポイントにたどり着いたらしく、イシモチもアジもポコポコと釣れてとても楽しい。ここの釣り場はイシモチが釣れればアジが釣れる。どう考えても違うところに住んでいるような気がするのだが、イシモチはアジ狙いのオキアミエサでもイカエサでも食いついてくる。アジとイシモチ、よくわからない組み合わせだ。

イシモチでかいよ。 輝いているぜ。

昼間のアジ釣りはサビキよりもエサを付けた二本針とかのほうが食いがいいみたい。大物対策にテンビンとハリスの間にクッションゴムをつけていたんだけれど、クッションが効きすぎてアジのアタリが伝わってこないのですぐはずした。私は不感症なのだろうか。しかし、腹が立つことに、ゴムを外した次の一投で、謎の大物が私のハリス2号のアジ仕掛けに食いつき、リールをジージーいわせた挙げ句にハリスをぶっちぎっていきやがった。むかつくー。クッションゴムを付けていれば釣れたかもしれないー。ああ、どんな時も大物の可能性がある場所ではゴムを外してはいけないなあと大津港の海よりも深く反省。多分イナダだと思う。

だがしかし、このボートの下に大物がいるという事実が私を元気づける。15センチくらいのウルメイワシが2匹釣れたので、早速マゴチが釣れたことのないマゴチ仕掛けを取り出して、イシモチの仕掛けと交換。修行僧と一匹づつ、すでにお亡くなりになっているウルメイワシをエサにして海にチャポン。今日のこの釣れっぷりなら、きっと超大物のマゴチか座布団みたいなヒラメが釣れるに違いない。

写真撮ってないので一昨日の写真転用。

そして仕掛けを投入して数分、さっそく修行僧の竿にアタリが。あの大きさのイワシがエサなので、釣れれば間違いなく大物なので緊張が走る。竿を固く握り、リールを巻く修行僧がつぶやく。「引かないけど重い。イカっぽいな。

イカ、美味しいよね。修行僧が500円で買ってきたタモを握りしめてイカが上がってくるのを待ち構える。水深が30メートルとかあるのでなかなか獲物は浮き上がってこない。相手はイカなのでいつ逃げられるかわからないのでリールを巻き上げるスピードも遅い。数十秒の緊張した時間の後に上がってきた獲物は、銀色のボディだ。イカじゃない、スズキだろうか。スッとタモで掬ったところで修行僧が叫んだ。

イシモチだー!


ナイスキャッチ俺。 イシモチだああ。

ウルメイワシ丸ごとエサにして釣れた魚は、大型のイシモチだった。サンマの切り身とかでも釣れる魚なので可能性がないこともないのかも知れないが、なんだかなあ。まあ今日はイシモチを釣りにきたので本命といえば本命なのだが。

イシモチ騒動になんとなく拍子抜けし、そろそろコマセもなくなってきたので帰ろうかなあと思ったその時、私のウルメイワシをぶら下げた竿がガックンガックンいっている。あわわわと慌てふためきながら竿を握ると、すごい重さで引っ張られる。明らかに大物。イシモチではない。やっぱりドラッグ調整してなかったリールをモタモタと調整しながらグルグルと巻く。敵は右に左に引っ張ってリールからジージー糸を引っ張りだす。わかった、こいつは大物ヒラメだ。絶対そうに違いない。富浦でバレた大物マゴチ釣り以来の緊張が私を襲う。心臓がバクバクいう。脳の血管がブチブチいう。熱いハートがメラメラ燃える。ああ、とんでもなく楽しいぞ俺。グリグリグリグリとリールを巻き続けると、海の中からようやく獲物が姿を表した。なんか細長い。なんか1メートル近くあるぞ。おお、ヒラメじゃなくて人生最大の目標、超特大マゴチか!。と興奮した瞬間にタモを持って待ち構えていた修行僧が叫んだ!

サメだあ!

マゴチにしてはヒレが多い。 どう見てもサメである。

明らかにサメである。 裏返したら顔が出てきた。

そんな目で見ないでください。 やりましたね!とすごいうれしそうにサメを差し出す修行僧。

わーい。人生初のハトヤサイズの魚。サメかあ。

これだけ興奮させておいてサメかよ。なんか修行僧は「いいオチです!」と妙に喜んでいるし。まあそうなんだけどさー、絶対ヒラメかマゴチだと思ってたんだよなー。実はリールを巻いているときにふと脳裏にアカエイを釣った時のことが思い出されたが、今回はサメか。そういえば神奈川の海でホオジロザメが見つかったというニュースがあったが、それか今日の前フリだったのか。なんか軟体動物に縁があるなあ。でも修行僧曰く、このサメはホシザメという種類で、食べると美味しいと力説している。しかし本人は食べたことないらしく、「じゃああげるよ」といっても持って帰るのを頑に拒否している。なんだよ。そういえば「美味しんぼ」でもエイとサメはウマいと書いてあった気がする。これも何かの縁だ。せっかくなので持って帰ろうかな。マゴチを締めるために買ったナイフでうなじを切って血抜きして、はらわたも全部出してしまおう。ああ、なんか血臭の影響か、ヒッチコックの映画みたいに海鳥が大量に集まってきてだとても怖いよう。トリの血にサメが集まるというのは解るのだが、サメの血にトリが集まるってどうなのさ。ああ、海に捨てたサメの内蔵にカモメが襲いかかっているよう。もう、なんか疲れたので撤収!

内蔵はその場で捨てます。 犯行現場。

なんかカモメが集まってくるよう。 サメの内蔵を襲うカモメ。

太陽に向かって直進だ。

クーラーボックス一杯の魚(サメも魚!)を乗せたボートは、べた凪の海を30分かけて港に戻る。ボート釣りを初めて以来の大漁でとてもうれしいなと。陸に上がり、サメを私の小さいクーラーボックスに詰め込んでいると、ボート屋のおっちゃんが「ホシザメかあ、塩をして冷蔵庫にラップしないで入れて干すとうまいぞ。ホシザメだからなあ」と微妙にウマいことをいいやがる。「皮が付いたままだと臭くなるぞ!」というので、がんばってペンチで引っ張って皮を剥こうとするが、固くってちっとも向けない。というか、サメがまだ動いて怖い。なんか子供とか集まってきて恥ずかしい。おっちゃんにどうやって剥けばいいのかと聞いてみたら「まだ身が固いから無理だろう!」だそうだ。なんだそりゃ。なかなかお茶目な芸風だ。とりあえず皮を剥ぐのは諦めて、頭と尻尾を海に帰してビニール袋に突っ込んでクーラーボックスへ。結構サメは折り畳める。

無駄に盛りだくさんなクーラーボックス。 ボート屋といえば猫だ。

皮が硬い。 なぜか囲まれる。

そんな訳で第二回大津湾ボート釣りは無事終了。ボート漕いでないしアンカーも上げてないけれど結構疲れたな。でも一昨日の「忘れ物」イシモチも、大きめのアジも、予定外のホシザメも釣れたし、とても楽しい一日だった。

釣り、やっぱり釣れると面白いや。
次は、二号のハリスを切っていった「落とし物」を回収にこなくてはな。

買い物してして

こういうの好きかな