4/22(土)まだ見ぬ強豪とのウナギ釣り

私は人見知りだし、遊びの時は相手に合わせた会話というものを基本的にしようとしない。じゃあ地引き網なんて主催しようとすんなよと思わなくもないが。だもんで見知らぬ人からの誘いは結構流してしまうのだが、話の流れをあんまり覚えていないんだけれど、神奈川方面に住んでいるらしき方とウナギ釣りにいくことになった。まあ珍しい。その方は「まだ見ぬ強豪」という肩書きがふさわしいキョウエさんとその相方さん。ええと、知り合ったきっかけが思い出せない。なんでだっけなー。メモ標本へ書き込んでいただいたのが始まりだったっけなー。まあいいや。その方はまったくお会いしたことはないのだが、ホームページブログを見る限り、人見知りの私が「きっと大丈夫だべ」と判断できるだけの材料、というか料理が並んでいる。とても美味しそうである。私の作る料理が「工作」だとすると、キョウエさんが作る料理は「幸作」。課長は「耕作」。はて。

一緒にウナギ釣りをするという事が決まってから初めてメールのやりとりをおこない、自分の足でウナギがそこそこ釣れていることを確認して日程決定。そんな訳で、今日ですよ、二人の大人がわざわざ神奈川方面から高速道路を使って、「ウナギを釣る」という酔狂な理由のために来るのですよ。なあ亀本さん、ハゼ山さん。

写真を載せたかっただけ。

わざわざウナギ釣りに東東京の果てまで来ていただくというのだから、相応のおもてなしをせねばなるまい。ウナギ釣りにおけるおもてなしといえば、当然「生き餌の確保」だ。当然か?。ミミズだったらわざわざ土を掘らなくても、ベランダで養殖しているのだが、前回の経験上、野生のドバミミズのほうが全然釣れる。たぶん。きっと。そしてそれだけでは不安なので、ザリガニエサも用意しておこうかなということで、明るいうちに熊手と数年前に買って一回も使っていないお魚キラー(エサは冷凍庫で死んでいた鮭)をチャリンコのカゴに突っ込んで、網を片手にウナギエサ捕獲に出発。釣りをしている人を避けて、見知らぬガキ共と同レベルでバッシャンバッシャン水遊びだ。今年で30歳だ。血管年齢は45歳だ。

お魚キラー。鮭でなにがとれるかな。 ばしゃばしゃ。

エビ。亀本さんのおやつだな。 あら、はぜ山さんの妹さん。

ゲロゲーロ。 ガキ。

えーい。ザリガニ獲れねえ。エビやらハゼやらオタマジャクシやらはとれるんだけれど、ザリガニが獲れねえ。仕方ねえ、ザリガニは諦めて素直にミミズでも掘るか。ミミズ掘りには熊手が最適。なんかミミズを掘っていたら、どっかで見たことのある男がやってきたが、そっとしておこう。

釣り人の邪魔をしないように。なぜなら自分が怪しいから。 熊手最高。

ちょっと小さい。 オケラ。こう見えて泳ぎが達者。生意気。

また出たな、修行僧。

水辺はちょっと小さいミミズしかいなかったので、場所を変えたら最適サイズのミミズ大漁。ウナギ釣りの課程としてエサを掘っているというよりは、ミミズを掘るという行為が楽しかったので必要以上に掘ってしまった。アサリはここにもいなかった。

ナイスミミズ。 ミミズ大量。

ザリガニは残念ながら獲れなかったけれど、ミミズは大漁なのでウナギ釣りはクールでバッチリだぜと意気揚々とお魚キラーの回収にいったら、親子連れが「スルメでザリガニ釣り」という古典な遊びをやっている。うーん、この池にはザリガニいないんだよねえ。釣れたらよかったんだけれどねえ。え、いるの?ザ、ザリガニ、釣れるの?スルメで?うわ、本当にいる!そして目の前で簡単にガキが釣っている!

ザリガニ釣りですかい。でもザリガニいないっしょ。 え、いてはりますか。

あらあらあら。 おやおやおや。

うーん、大変悔しい。悔しいので今度スルメ持ってこよう。

「ウナギの新ポイント開発してくる!」と旅立っていった修行僧から「根掛かり連発!」という虚しいメール到着。はいはい。


ミミズと小魚やらエビやらを持っていったん帰宅。キョウエさん達が来る4時に合わせて、釣り竿担いで再度自転車にライディングして都内某所のウナギ釣り場へ。ちなみに今日は満潮10:33分、干潮18:41、そして長潮。ウナギ釣りのベストタイミングである日没時が干潮の潮止まりという、ダメダメコンディション。この場所は、潮の影響を受けるから、潮の動いている時間じゃないとあんまり釣れないんだよなあ。でもまあ仕方ねえべやとまだ明るい河原に竿を出してキョウエさん達を待つ。会ったことのない人と釣りをするためだけで待ち合わせなんてしたことがないので、とてもとても緊張している。いや、前にも一回あったか。でもあれは一応修行僧の紹介だしな。ああ、気の合わなそうな人だったらどうしようかなーとドキドキしていたら、きた。修行僧が。はいはい。

しっかし、初対面がウナギ釣りって普通あり得ないよねっていう会話を初対面がウナギ釣りだった修行僧としていた定刻の4時ちょっと前、携帯メールで到着したとの連絡がくる。緊張する。未知との遭遇である。そしてすぐに河原へ夫婦っぽい二人がテクテクと歩いてきたのだが、さっきから「俺もミミズ掘る!」と私の熊手で一心不乱にミミズ掘りをしていた修行僧を遠巻きに眺めて、ひそひそ話をしながら去ってしまった。




だめだったか。待ち合わせ場所にいったら熊手で地面をほじくっている男がいたら、普通帰るよな。でも、正直いってあの二人を見たときに「ちょっと気が合わないかなあ」という直感がしたのでいいか。イヤ、決めつけはよくないのだが。まあ、縁がなかったということだなと一人納得していたら、また携帯メールが届き、「今駐車場をでて向かいます」だそうだ。あれ、じゃあさっきの二人は違うのか。紛らわしい。そういえば二人とも釣り竿持っていなかったし、女性の方は白いヒラヒラスカート履いていたしな。そりゃ違うよな。

そして、ちゃんと釣り竿とクーラーボックスを持った、「あ、大丈夫だ」と思える二人が登場。さて、こういう場合、本名で挨拶した方がいいのだろうか。とりあえず修行僧のことは「修行僧とか呼ばれている人です。あまりお気になさらず」と丁寧に紹介しておいた。で、早速釣り場の説明をしようとしたら「これ、忘れないうちに、油と炭水化物です!」とキョウエさんのブログで見てとてもとても気になっていた牡蠣のオイル漬けと手作りパンをいただいてしまった。とてもうれしい。なので「じゃあおかえしに」と手掘りミミズを大量に渡す。牡蠣とミミズ、すごい物々交換だな。ウナギ釣りに来て牡蠣が手にはいるとは思わなかった。この牡蠣のオイル漬け、夕飯に早速食べたんだけれど、めちゃめちゃうまかった。2006年ベスト酒のつまみ賞、金賞である。

おみやげもらった。 これは、あこがれの一品じゃないですか。

お礼はミミズ・・・。 うまかった。

キョウエさんの相方さんは普段ヘチ釣り(詳しくは知らないが、なんか大人っぽい釣り)でクロダイとかいう地引き網でなら獲ったことあるが釣ったことはない、今後も私が釣ることはないであろう魚を狙っている人らしく、河原での投げ釣りなんて子供の頃のコイ釣り以来だそうだ。そして「大人買いしてきました!」と持ってきたリールには、新品のPEラインが巻かれている。どうやら本気らしい。仕掛けも事前に長々とメールしたとおりに作ってきている。いい人だ。学生時代はよく投網をやっていたらしい。とてもいい人だ。

そんな訳で、釣りスタート。ついでにお魚キラーもスタート。エサは鮭からやっぱり冷凍庫で死んでいたブリの照り焼きに変更。ウナギ釣りって仕掛けを投げちゃうとすることないんだよね。なので「今日の感じだと、明るい間は釣れなそうだから、気長にやりましょう(じゃあ集合時間をもう少し遅くすればいいのではないかと思いながら)」と、ダラダラと探り探りの会話開始。こういうとき、私の頭だと「ここにはアスパラが生えている」とか「アカエイは美味しい」とかのすごいどうでもいい話しか思いつかないのでそのまま話す。

釣りを初めて30分くらい、まだ全然明るい時間、「たまにエサ交換したほうがいいですよ」と知ったようなことをいってエサ交換をしていただく。自分のなにも釣れていない仕掛けをクルクルと巻き上げていたらキョウエさん側からワーワーと歓声が聞こえるのでヘビでも出たかといってみたら、地面にニョロニョロと動く生き物が。ウナギ、もう釣れたらしい。しかも先週私が釣ったヤツより全然デケエ。「鈴はならなかったけれど、竿先が怪しい動きをしていた竿を上げたら釣れていた!」そうだ。躊躇なくウナギを握ろうとするキョウエさんが大変頼もしい。

もう釣れているよ。 私の流派だと、「釣った鰻はビニール袋」なのです。

いやあ、よかったよかった。ウナギ釣りって、一晩やって一匹釣れるかどうかの効率の悪い釣りなので、誰も釣れないんじゃないかなあと不安だったんだよね。神奈川から来ていただいて坊主っていうのは避けたかったので、修行僧と「キョウエさん達が目をそらした隙に、勝手に仕掛けを回収して、先週釣ったウナギを針につけて戻しておこうか」とかアホな会話をしていたところだったのですよ。しかしそんな心配はいらなかったらしい。そして、私がトイレから帰ってきたらもう一匹食べ頃サイズをさらっと釣り上げていた。ウナギ釣り初回で2匹か。私がウナギ釣りを始めたときは、二回目でやっと鉛筆サイズが釣れたのだが。さてはプロだな。なんのだ。

ええと、私と修行僧は釣れていません。はい。もうお二人に教えることはございません。教えることがないので、相方さんが普段いっている防波堤での釣りについていろいろと教えてもらう。なんかすごい楽しそうな場所があるらしい。陸っぱりでメバルにカサゴにスズキにクロダイでウハウハらしい。ルパンIII世が宝石を盗む時並みに行きにくいところらしいが。いきたいいきたい。

二匹目だって。 やっぱりビニール袋。

ウナギの釣れない私だが、お魚キラーをあげたらテナガエビが一匹入っていたので、この勝負は互角ということで。いや、互角じゃない。数ですら負けているし。くそう、テナガエビなんかエサにしてやる〜と一匹まるごと針に無理矢理くくりつけて、暗闇の水面に放り込む。これで一発逆転のデカウナギをゲットだ。ウナギじゃなくてアカエイが釣れてしまう気がものすごくするのだが。

プロ。 テナガエビ。丸ごとエサにしちゃえ。

八時過ぎ、キョウエさん達がそろそろ帰るという頃、私の竿に今日初めてのアタリ到来。鈴がリンリンなっている。しかもテナガエビエサのほうである。でたなアカエイ。やっぱりここで釣ったアカエイでも美味しいのだろうかと考えながら竿を持ち、リールを巻いてみると、巻けないほどの重さではない。アカエイだと座布団ひっかけたような重さなのだが、それがない。その代わりにウニョウニョした手応え。ウナギだ!。ウハウハしながら慎重に丁寧に大胆に剛胆にリールを巻き、えいやっと竿の弾力で抜き上げると、自己最高記録レベルのウナギであった。そしてカメラのフラッシュを浴びまくるウナギ。ナイスオチ。

太い。思いっきり汚れてしまった ニヤニヤしながら眺める。

いやあ、めでたい。やはりエサがでかいと大物が釣れて楽しいな。キョウエさん達は帰り際に今度はペットサイズのウナギを追加して、合計3匹、持ち帰り2匹という立派な釣果でホクホクしながら帰って行った。さすが強豪。修行僧はフジツボみたいなのがついたテナガエビを捕まえて「見づらくないかな」と悩んでいた。

ちょっと食べるには小さい。 なんかいっぱいついている。怖い。


ああ、楽しかったと(桂小枝風に)。さて、相方さん(私が相方さんと呼ぶのはかなり間違っているな)、キョウエさんよ、今度はこちらから伺いますので、次はそちらの土俵で会いましょう。

買い物してして

こういうの好きかな