8/20(土)アカヒゲ危機一髪
テナガエビ、アナシャコと続いた甲殻類シリーズの第三弾。今日は今年の5月に地引き網が縁で出会って、その後一回マグロカブト焼きであっただけという縁があるんだかないんだか(そんな人が多いな)のKさんの誘いに乗って、場所によって捕まえる事が合法だったり違法だったりするアカヒゲエビという高級食材の大型甲殻類を釣りにいく。もちろん今回行く場所は合法の場所。GO FOR IT!(ゴーホーイット、それは合法)な訳ですよ。私はこの釣りを全くやった事がないのですべてお誘いいただいたKさんにエサや仕掛けの手配から、移動手段にポイントの選定まですべておまかせ。最近エビとかシャコとかウナギとかウロコのないマニアックな生き物ばかり釣っているような気がするが気にしない。
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今日は大荷物。 |
天気は見事にピー缶。Kさんに最寄りの駅まで車で迎えにきていただき、まずは東京で一番安いらしい釣りエサ屋さんでアオイソメを大量購入。これは二人分じゃなくてこの後合流する4人の人達の分も含んだ量。このエサ屋さん、入り口のところに「活きハゼ買います」という、もし私が小学生だったら夏休みのすべてをかけてしまうであろう魅力的な張り紙が張ってあるじゃないか。釣った魚を買い取ってもらうという行為、年齢的には十分大人になった今でもかなり引かれてしまう。ああ、自分で捕まえたミミズで釣ったバケツ一杯のハゼを持ち込んで売ってみたいよう。ちなみに買い取り価格を聞いたら一匹10円だった。うーん、でもやりたい。で、その金でガンダムのプラモデルとか買いたい。そんな夏休みの自由研究だったらいくらでもやったのになあ。くそう。
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助手席から。 | 千鳥屋。 |
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イソメ盛りだくさん。 | 売りたい! |
目的地への途中で私はほとんど面識のない残りのメンバー達と合流し、某ラーメン屋さんで豚骨ラーメンをすすったり、スーパーで買い出しをしたりしつつ、遠い遠いそりゃもう遠い、その上行くまでに曲がり角が山のようにあるため全く道を覚えらないような港に夕方前頃無事到着。いやあ、遠い。風が強い。そして熱い。よかった、夜釣りで。
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熱い。 | 朝ご飯は豚骨ラーメン。 |
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これで一人分の食料。夜釣りはお腹が減るのだ。 | 海だー!と喜ぶ埼玉育ちの私。 |
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風が強い。 |
今日の釣りはまだ明るいうちに釣り始め、そのまま夜通し18時間くらい釣り続けて翌日の昼前に帰るという、ある意味富士登山よりも長く過酷なスケジュール。安全のためライフジャケットを装着して、今日のために新規購入したスパイクブーツという陸釣り以外では全く役に立たないオシャレ長靴に履き替えたら、風速10メートルの強風が吹き荒む中、Kさんに仕掛けの作り方を教わってテトラポットの「穴」に仕掛けを落とし込む。ちなみに今日の竿も黄色と黒は勇気の印な阪神カラーのボートロッド。別に阪神ファンではないのだが、基本的にワカサギだろうとアカエイだろうとシロギスだろうとウナギだろうとアカヒゲエビだろうと、同じ竿、同じリールで私は釣る。あとは放置プレイで竿先の鈴がなるのを延々待つという、ウナギ釣りと似たのんびりとした釣り。でも獲物が獲物だけにみんな目が血走っているのは気のせいか。
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おしゃれブーツ。 | 底がスパイクになっている。 |
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がんばれ阪神竿。 | Kさん。落ちないでね。 |
釣り開始から数十分、最初の一匹目は当然のように主催者Kさんの竿にかかった。今回のメンバーはKさん以外全員がアカヒゲエビ釣り初めてなので、「本当に釣れる」という事実を目の当たりにして一同ビックリ。よっしゃ私も一匹は釣りたいなとエサ交換のためにリールを巻いてみると微妙に重いような気もする。でもまあゴミかなんかだろうとガンガン巻き上げると針になにか甲殻類っぽい物体がついている!と確認したところでテトラにぶつかってポチャン。針に残されたのは毛の生えた足が一本。まさにアカヒゲ危機一髪状態。ああああ、アナジャコ釣りでハサミだけとれた時よりもさらに悔しい!もっと慎重に巻けばよかったーと泣いても後の祭。まあそのうちきっと釣れるだろうと気持ちを切り替えた振りをして隣の竿を持ち上げてみると、こっちもちょっとばかし重い。もしかしたらこっちも憧れのアカヒゲが釣れているかなと今度は慎重にリールを巻き上げてみたら、色柄は大変似ているのだが姿形が全然違うカニさんだった。まあ同じ甲殻類だし「味噌汁にするとうまいよ」とみんながいうのでミソシルガニと名付けてキープ。
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夕暮れ。御来光ではない。 | あ、本当に釣れている! |
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惜しい。 | カニかい。 |
カニの次はエビだろうと信じてエサを付け替えて再投入。酢豚弁当を平らげて戻ってくると、竿先が微妙にビクビクいっている。すわ、とうとう感動のアカヒゲエビかと竿を持ち上げリールを巻くと、あれあれさっきのカニと同じくらいの重さ。なんだまたカニかいとリールをガンガン巻き上げてみると、ん、細長い。ああ、アカヒゲエビ!。アナジャコ捕りで鍛え上げた右手でむんずと捕まえて無事本日の目標をゲット!。すごいうれしい!でもすげえ小さい!手乗りサイズ!さすが俺。
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アカヒゲエビ! | ちょっと小さいか。 |
サイズ的にリリースしようか迷ったけれど、次にこれより大きな奴が釣れたらリリースするという事で一応人質としてスカリにキープ。ほら、ザリガニよりは大きいし。周りでもぼちぼち釣れだしたので、この調子なら明日はアカヒゲフルコースだぜと盛り上がるのだが、日が沈んでからは私がカニを追加しただけでまったく釣れなくなってしまった。世の中に釣れない夜釣りほど辛いものはないなあとしょぼくれていたら、山の方から閃光と共にドーンという大きな音が!。テポドンいやーんと振り返ると、たまたま花火大会だったらしい。夜釣りをしながら見る予想外の花火っていうのもなかなかいいもんだなと。釣れないけれど。
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あ、いいな。 | どかーん。 |
いかにも地方の村おこしっぽいほのぼのとした花火大会が終了後も、満月とヘッドライトの明かりを頼りに釣り続ける。そろそろエサでも買えようかとリールを巻き上げると、なんとアカヒゲさんが釣れているじゃないですか。やったぜーとアカヒゲエビを掴んだ右手が妙に軽い。ヘッドライトで照らしてみてびっくり。さっき釣ったエビよりさらに一回り程小さいでやんの。アナジャコだったらナカナカのサイズだが、さすがにこれをキープする訳にもいかないので優しくリリース。達者で暮らせ。
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小さい。 | 本当はザリガニなんじゃないだろうか。 |
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月明かりでかなり明るい。 |
その後も朝まで延々粘るものの、私にはアタリがまったくこなくて、周りもどうにか釣り上げたけれど掴もうとしたときに躊躇してエビキックで逃げられたり、躊躇せずに掴もうとしたらエビじゃなくて毒魚ゴンズイだったりと全然ダメ。明るくなってから今まで坊主だった人が一匹釣っていたので、ここのアカヒゲエビは夜寝ているのだなと結論付けてみる。やっぱり夜は寝る時間だ。
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カサゴ。釣ったの私じゃない。 | ドンコ。釣ったの私じゃない。 |
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エサを付けようとしたらカニに奪われた。 | 大きなアカヒゲエビの足のみ。釣ったの私じゃない。キメラアントの足ではない。 |
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カップヌードルもらった! | 掴んじゃダメよ。刺されるよ。 |
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御来光。 | 投げ釣りでハードロックカフェBERLINの帽子が釣れていた。 |
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フナムシ。 | 左:Kさん。右:私。 |
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船を留める鎖。錆び過ぎ | 松の老木みたいね。 |
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今日の接写:テトラポット。 | 朝釣れたやつ。もちろん私じゃない。 |
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本日の釣果:甲殻類。 | 髭が立派だ。 |
太陽が昇って来たところで、これ以上やっても一向に釣れる気配がしないのでさっさと終了。結局、私のお持ち帰りはエビ子が一匹にカニが二匹にもらったドンコが一匹。ふう、まあ今日のところはこれくらいにしてやるか。
さあ、帰ってアカヒゲエビのフルコースだ。たぶん一口だ。
はい、話が長くなりましたが、飲み食い標本に続きます。