4/9(日)富浦湾 つりボートおきむらで釣れないマゴチ釣り

ちょっと前なら覚えちゃいるが、一ヶ月前だとちとわからねえなあ(宇崎竜童風に)。じゃあ釣りに行ったらすぐに書いておけという気もするが、ウナギとかウナギとかウナギとかいろいろあって今頃書く。なので記憶が曖昧な上に、いろいろな体験が入り混ざっているけれど、まあいいや。あんた、あの娘のなんなのさ。

ええと、確か、なんだっけな。ああ、そうか。土曜に富浦(今は南房総市)の「つりボートおきむら」へボート釣りへ行こうと思っていたんだけれど、風で出られなかったのでチアニュ釣りになったんだ。で、チアニュを生かしておいて、日曜日に改めてボート釣りにうん、そう書いてある。あ、少し思い出してきた。

チアニュ。いいエサだと思うんだよね。

朝4時過ぎに、アキラさん(仮名)に車で拾ってもらい、修行僧とかいうあまりよく知らない怖そうな人と三人で、ブーンと高速道路をヒタヒタとひた走って釣侍へ。ちなみに第一釣具は潰れていた

この写真を何度撮ったことか! 寿司屋のようなネタケースが素敵!

ユムシかっこいい!

今日はボート釣りなので、普通はシロギス釣りがメインなんだけれど、個人的にはチアニュでマゴチが大本命なので、エサはジャリメを1パックのみ購入。アキラさん、修行僧は2パック買っていた気がする。ところで、この時期のボート釣りはまだまだ寒く、防寒着なくしては釣りなんて出来ない陽気。なんだけれど、一人だけ「濡れることを前提としたサンダル」で来ている丈夫そうな人がいた。あれは修行の一環と思われるので、よい子はマネをしてはいけない。私は長靴。

寒そうな人発見! マネをしてはいけない!

エサを仕入れたところで再び館山自動車道に入って、アキラカーで終点の富浦インターまでひとっ走り。そして私はひと眠り。心配していた天気もどうやら晴天に恵まれた様子。ボート釣りの釣果はほとんど天気と水温次第なので大変うれしいなっと。

晴れた! めでたい!

ところで前にも書いたような気がするけれど、アキラカーはマニュアル車である。マニュアルといってもギアだけの話ではなくて、ウインドウの開閉もクルクル手動で廻すマニュアルなので、料金所では左手でシフトチェンジ、右手でウインドウクルクル、左足でクラッチ、右手でブレーキ&アクセル、ハンドルは放置プレイという、「いろいろな楽器を一度に演奏する大道芸の人」みたいでとてもカッコイイ。料金所の少し前でウインドウを開けておけばいいのにと思うんだけれど、かならず料金所直前で減速しながら、額に汗をかきつつ両手両足を駆使している。そして料金所を出るときも、ウインドウは後回しにすればいいのに、かならず加速しながらクルクル。きっと同乗者に必要以上の風を当てないようにという配慮からの行動とみた。それがアキラという男。くぅっ。

そんなアキラの男気に感涙している間にボート屋到着。本当は6時前について第一便で引っ張っていかれたかったんだけれど、残念ながら間に合わず。まあ焦ってもしょうがないということで、新しくなったというボートをチェックしながらおきむら名物オネエサマ軍団としばしの談笑。今日は風がちょっとあるから南無谷というベストポイントへはいけないんだって。ちぇ。

受付。受け付ける場所。それは受付。 第一便は行ってしまった。

さて、おきむらに、というか富士屋ボートでも日の出ボートでも新しく導入された新ボートだけれど、これがすばらしい。まずでかい。大人二人が竿を3本づつとか出しても余裕な広さ。一人だったらゆったりと足を伸ばして昼寝もできちゃうキングサイズ。ボートはでかいと漕ぐの大変な面もあるんだけれど、基本的に「漕がないボート釣り」なので問題なし。この姿勢が釣果に悪影響を出しているのは確実だが。どうでもいいけれど、富士屋のサイト、BGMやめてくれ。

で、このボートは広いだけでなくて、なんと生け簀がついている。すばらしい。真ん中のシートのフタを開けるとポッカリとスペースがあり、底の栓を開けると海水が入ってきて、ここに生き餌用の魚を生かしておけるという優れもの。決してトイレではない。トイレは備え付けのペットボトルでどうぞ。この生け簀ってやつ、船底から海水を引いても船が沈没しないのはパスカルの原理とかそんな感じかね。不思議不思議。尚、ボート屋からの注意事項として、「栓は沖に出てから開ける。沖で閉めてから帰る」っていうのを守らないと、生け簀に砂が入っちゃうそうだ。

さらにさらに、今まで斜めだったボートの縁が直角になったため、竿受けが取り付け可能になったのが個人的にはとてもうれしい。これでマゴチ用の置き竿もバッチリだ。

この高性能大型手漕ぎボート(曳舟付)、これでお値段据え置き4000円!(テレビショッピング風に)。二人で乗ったら一人2000円。なのになのに、なぜか今回は一人一艘で乗ることになったんだよね。なんでだか覚えていないけれど。しかし、この時二人で乗っていたのなら、今私はここに存在しないであろう。ああ。

でかいのだ。いいことだ。 生け簀。すばらしい。

竿受けが設置できるのがうれしい。

そんな訳で第一便を送ってきた曳舟が戻ってきたところでボートに乗り込み、「生け簀沖」とか「灯台裏」とかたぶん呼ばれている場所へドンブラコ。この「頼りない手漕ぎボートで沖に出る」という、現実世界からどんどん引き離されていくような時間は何度体験しても楽しいなあ。そして海上にでるととたんに腹が減るのは何でだろう。寒いから脂肪を蓄えろということかね。もぐもぐ。なんかちょっと風がでてきたかな。

さあさあさあ。 やあやあやあ。

あ、アキラがグラサンモードに! 私はお腹が減ったのだよ。

栓を開けると水が入ってきます。沈没はしません。不思議です。 ちょっと風が・・・。

釣り場につくまで、修行僧と「ちょっと風がでてきたから流し釣りは無理かな〜」みたいな呑気な話をしていたんだけれど、曳舟がボートから放たれ、釣りを始めた途端だ。待ってましたかのように強風がビュービュー吹き荒れやがる。それでもまあどうにか我慢しながらやっていたんだけれど、すぐにボート屋から携帯電話に連絡が入り「風が吹いて来ちゃったから浅場に移動させるから仕掛けしまってね。」だって。

まあこの風じゃあ仕方ないよなあと、まだ一匹も釣れていない仕掛けをしまって、すぐに移動できるようにアンカーを上げようとしたんだけれど、あれれアンカーが根がかってどうにもならない。まあ迎えの曳舟にどうにかしてもらえばいいだろうとおとなしく荒波を眺める。不安だ。

数分後、おきむらの曳舟がボートを回収しながら近づいてきたので、アンカーが根がかってしまっている事を話すと「じゃあまた後で来るわ〜」といってしまった・・・。

ええええ。まあ、確かに行きに2回に分けて運んできたボートを1回で回収出来る訳がないので、二回に分けるのは通りだよな。だったらアンカーが上がらないボートは後回しだよなと溢れそうになる涙をグッと堪えて引っ張っていかれるアキラさん、修行僧に手を振る。さようなら。

とりあえず、また曳舟がくるまで釣りでもしているかと仕掛けを再び出して釣り再会。すぐにシロギスが釣れてホクホクしたのもつかの間、だんだんと風が強くなってきてシャレにならない状態になってきた。そしてここで私は重大な失敗に気がついた。救命胴衣を借りてくるの忘れた。

血の気が引くとはこういうことをいうのだろうか。一瞬にしてサーっと体の体温が二度くらい下がる。とりあえず釣り道具は閉まってボートが転覆しないように重心を低くして迎えが来るのをじーっと待つ。こうしている間に風と波はさらに強くなっていき、ボートの中に海水がザップンザップンと入ってくる状態。ボート備え付けのトイレ代わりのペットボトルで水を掻き出す今日この頃。そして風下は険しい岩礁地帯。アンカーが根掛かりしているから流されないで済んでいるけれど、このタイミングでアンカーの根掛かりがはずれたならば、軽い軽い、大津あたりの腰を悪くするような重いアンカーの五分の一くらいしか重さのない富浦仕様のアンカーじゃあ流されまくって岩場に激突して沈没すること請け合い。そして私はカナヅチだ。えっへん。まだ大きなボートに一人で乗っているからいいけれど、これが小さい方のボートで二人乗っていたらさらにバランス悪くてやばいね。よかった、一人で乗っていて。いや、二人で乗っていたら先に回収してもらえたような気も。あまりにもやばいので携帯からおきむらへ電話するも「ちょっと待っててね」といわれるだけ。そして放置プレイ。ん、前にも同じ場所で似たような体験をした記憶が。どうやらこのポイントは私にとって鬼門らしい。さて、遺書でも書いて携帯からブログにアップしておこうかな。

いやあ、死ぬね。いや、死んでないけれど。

ざっぱーん。ぼよよんぼよよん。 やばそうな岩肌がすぐ近くにあるんだよね。

ボートに水が貯まってきたよう。

※※※さあ、そんなチョイヤバな状態を動画で見てみよう!※※※

そして、呑気に写真を撮っていられなくなるほどにやばくなったとき、ようやく、よ〜やくおきむらから迎えの船が来た!と思ったら、あれ、日の出ボートだ!

どうやら荒海にぽつんと浮かぶ危なっかしいボートを助けに来てくれたらしい。よそのお店のボートなのに。さすがは海の男。「引っ張ってあげるから錨あげて〜」という顔はおっかないが心は優しい日の出ボートの声に、ダメ元でアンカーをぐいっと引っ張ってみたら、あっけない程簡単に根掛かりがはずれた。あぶねえ。もうちょっと早くはずれていたらかなりやばかったね。そんな訳でつりボートおきむらのボートを日の出ボートの曳舟で引っ張られて浅瀬へと移動。ああ、今思い出しても涙が出てきた。ありがとう日の出ボート!。次はきっと日の出ボートを予約するよ!

ボート来た! あれ、日の出!

回収!

ああ、今日は死なないで済んだんだなと安堵しながら引っ張られていると、遅ればせながらおきむらの船登場。「ごめんね〜、女の人がトイレ行きたいっていってさあ。遅れちゃったよ〜。」との事。なんだとー、なんのための生け簀だい。ってトイレのためじゃないんだけれどね。そして実はもう一艘漂流していたケミカルウォッシュなジージャンをきたずぶ濡れカップルを回収して風の弱い浅瀬へ移動。きっとこのカップルはこのあと喧嘩すること確実。いや、こういう危機的経験をすると愛が深まるのかね。まあ人ごとなのでどうでもいいのだが、ケミカルウォッシュを久しぶりに見て満足。ケミカルガール、彼氏に「釣りだから、汚れてもいい古い服を着てきてね」といわれて、押し入れの奥底から引っ張り出してきたのだろうか。あるいは「いつものアウトドアウェアとしてのケミカル」なのか。そこが問題だ。だからどうした。

ずぶ濡れカップル発見! いやあ、死ぬかと思った。

いやあ、やっぱり曳舟ありでもボート釣りは怖いなあ。でもまあ、ボート屋が悪いっていう訳でもないし、海の上の出来事なので、悪い思い出は水に流して釣り再会だ。


が、この風で底荒れしていて全然釣れねえ。

置き竿のエサはもちろんチアニュ! シロギス仕掛けは海藻ばっかり。

どうしたんだ、ヘヘイベイベー、チアニュエサはビンビンだぜ〜と鼻歌を鼻ずさみながら海藻の絡まったシロギス仕掛けをめそめそとほどいていたら、チアニュ仕掛けの竿が横走りをした。やっぱりチアニュはマゴチの特エサだったんだなと納得しながら竿をグッと立ててリールを巻く。重い。相当重い。こいつはかなりの大物・・・だけれど、このヒキは前に経験した覚えが・・・あ・・る・・よ・・う・・・な・・・。今日の仕掛けは前にヒラメ用に作ったハリス6号なので、糸が切れる心配はないだろうとちょっと強引に巻き上げて、水中を漂う茶色く平べったい魚影を見て、すべての記憶が繋がった。あの日、あの時、あの場所で、君にアカエイだったらあああぁ。この瞬間、釣り糸は切れなかったけれど、緊張の糸がプツリと切れた。あ〜あ。

き、君か! よう、二年振り!

アカエイかあ。まあ、チアニュをエサにした時点で、心のどこかで「アカエイ釣れちゃうんじゃないかなあ」という不安はあったよ。でも本当に釣れるかね。この「マゴチ・メバル」と書かれた竿、釣れるのは「ホシザメ・アカエイ」なのはどういうこったい。

でもいいんだ。釣れた魚は縁のある魚なのさ。ハリスを切ってリリースなんていうことはしないのさ。マゴチ、あるいはアオリイカを掬うために持ってきたタモで掬っちゃうんだ。そしてエイ本体を足で押さえて、ドキドキしながら強烈な毒針のある尻尾をメゴチばさみでグッと押さえつけながら、マゴチ、あるいはヒラメの血抜きのために持ってきたナイフで尻尾を切断しちゃうんだ。さらには美味しく食べるために血抜きしちゃえ。
※これは本当に危ないからマネしちゃ駄目だよ。冗談抜きでヘタに刺されると死にます。よい子はハリスを切ってリリースだ。

尻尾が怖いよー。 高枝切り鋏が欲しい。

こんにちは。 そんな爪楊枝のように針をくわえられてもねえ。

別にサメを寄せている訳ではない。 マゴチ・メバル。釣れた事なし!

とりあえず、夕飯の確保は成功。ええ、アカエイは食べますよ。釣れたんだもの。シロギスはちっともアタリがないので、渋谷の上州屋で99円で買った餌木を放り投げてみる。もしかしたらアオリイカ、あるいはスミイカが釣れるかも。釣れないけど。でもでもやっている限りはいつかは釣れるだろうと慣れない餌木を振り回していると、グッと餌木が重くなった。む、これがイカのアタリってやつかと慎重にリールを巻き上げてみると、当たり前のように海藻が引っかかっていた。やっぱりそう簡単にはいかないかね。いや、でも海藻あるところにアオリイカあり。知らないけれど。そんな訳で、再チャレンジ!するとすぐにさっきよりもはっきりとしたアタリがPE0.8号の細仕掛けから伝わってきた。やっぱり釣りっていうやつは諦めたら負けだよな。ああ、帰ったらアオリイカの捌き方を調べなきゃとイヒイヒ化化考えながらリールを巻くと、うん、海藻。そして何回やっても海藻。もういい、餌木は諦めた。

人生初のエギングにチャレンジだ! 海藻!

海藻! 海藻!

餌木は諦めたけれど、イカを諦めた訳ではない。こっそりと買っておいた「スミイカテンヤ」を取り出して、PE1.5号の巻かれたリール竿にセット。エサはシャコを持ってきている訳がないので、今日唯一釣れたシロギスを豪快に刺す。今写真を見直して気がついたけれど、魚の向きが逆だな。まあそういうレベルのアレではないけれど。

スミイカテンヤ。使い方はよく知らない。 これで釣れるのかはなはだ疑問だが。

スミイカの狙いは砂地。適当な場所に見当を付けて、豪快に振りかぶっエイヤっと投げると、ブチっという嫌な手応えを残して、ひゅるるる〜と予想以上に飛んでいくスミイカテンヤ。あ〜あ、一投目で糸が切れて吹っ飛んでいってしまった。どうやらウナギ釣りで酷使していたラインがテンヤの重みに耐えられなかったようだ。たとえていうなら、酒を飲み続けて荒れた胃が、てんやの大江戸天丼の重みに耐えられないみたいな。さようならスミイカテンヤ。まあ、縁がなかったということで。なんか今の一投でやる気が全くなくなり、広いボートで熟睡。春眠だもの。

しかし、ボート釣りを久しぶりに一人でやったけれど、一人の方が好き勝手できるので気が楽なんだけれど、やっぱりせっかく複数人で来たのなら二人で乗った方が楽しいかな。「釣れたよ!(アカエイ)」という相手がいないとチト寂しい。ボート漕ぐの面倒だし、オマツリしていたら実は釣れていた!という技が使えないしなあ。そんな技は使わんでもいいのだが。

昼過ぎに沖上がりをし、同行者の釣果を確認すると、まめな男、修行僧がシロギスを10匹くらい釣っている。そしてアキラさんは、でかいシロギス一匹と、これまたでかいウミタナゴを一匹釣っていた。さすがアキラ、なかなか男らしい釣果である。そして私のクーラーボックスの中身は、当然アカエイ一匹のみ!きっと目方では優勝だ。おきむらのおばちゃん達になにが釣れた聞かれたので、正直に「アカエイ一匹!」と答えたら、「え〜、持って帰るの?どうやって食べるの?」と不思議がられてしまった。「煮て食うとウマイよ!」といっていた富士屋の兄ちゃんとはえらい違いだな。わかった、実はこのおばちゃんは遠く(アカエイを食べない地域)から嫁に来たと見たね。

終了。あーあ。 アキラの男らしい釣果。

写真を撮られるアキラ。 シロギスがでかいぞアキラ。

ちなみに「釣りに行くと同行者の竿が折れる」という私のジンクスというか呪いは未だ解けておらず、アキラさんの竿がポッキリと折れていた。ああ、ごめんなさい。

竿の折れてしまったアキラ。笑顔の陰には悲哀あり。

いやあ、駄目だった。というか、死ぬかと思った。そしてお約束の「陸に上がった途端のベタ凪」がとてもムカツク。釣りって何なのだろうねえとちょっと哲学的になりつつ、ワカメとお茶をもらって撤収でございます。

おきむら手作りワカメだよ。 アカエイだよ。持って帰るよ。

さようならおきむら。 見事なベタ凪だ。

以下、アキラ写真展。

クサフグ。なぜキープしているかは謎だ。食べたのかも知れない。 シロギス。大きいね。

ウミタナゴ・・・の出産。 めそめそめそ。

腹が減ったのでニコニコドライブインで飯食べて帰宅。アキラさん、運転ありがとう。

金目鯛食べた。

ああ、二日掛けてのマゴチ狙いで釣れたのがアカエイ一匹。ムカツクのでアカエイをすごい気合い入れて料理してやる。

しかし、 釣りって、なんなんだろうねえ。

※つりボートおきむらは、とても親切で良心的なボート屋さんです。今日はたまたま天候と尿意が悪かっただけですよ。

買い物してして

こういうの好きかな