11/03(木)京急大津 石田ボートでアジ釣り

 

男は一人で旅立たないといけない時が来る。私にとっては、それが今日だった。いや、天気がいいからボート釣りをしようと思ったんだけれど、誰もつかまらなかったので一人旅にいくことになったというだけなのだが。

で、ボート釣りの場所をどうしようかなあと考えたんだけれど、いつもいっている富浦や高滝湖は電車だと遠い。かといって一人でレンタカー借りるお金はない。ガソリン高いらしい。いっそ思い切って、来週某人といく予定になっている京急大津という駅にあるボート屋にでも抜け駆けして行ってみようかな。美味しいことで有名な浦賀水道育ちのアジが釣れるらしいし。ここなら電車でいっても朝7時までには到着できるし。ただ曳舟サービスがないのが体力ナシオの私としては辛いんだけれど、天気予報によると風も波もないっぽいので、一人乗りならどうにかなるべえと決行決定。京急大津、地図によると横須賀という私にとって、縁もゆかりもないところらしい。ハッスルジェットだ。よし、せっかくなのでスカジャンでも着ていこう。ところでいつも書いていて思うのだが、この本題が始まるまでの長い枕話はみんな読むのかね。

そんな訳で、初めての場所なのでなにを持っていけばいいのかよくわからんので、とりあえず考えうるすべてを詰め込んだ大荷物を持参して、新小岩発5:10とかいう総武線快速に乗る。力一杯厚着してきたので電車の中が暑いよう。

大荷物になってしまった。 ガタンゴトン。

ボケーッとしているうちに横浜到着。ここで五月の潮干狩り以来となる京急の特急に乗り換えて堀ノ内という前私未到の駅までいく。なんか釣り人が多い。横浜駅のホームから、かあちゃん、中学生くらいの兄ちゃん、兄ちゃんの友達、柔ちゃんカットの妹という4人組で釣りに行く人達と一緒になり、「お母さん、お腹空いちゃった。雷おこし食べよう。ヒロユキも食べる?ほら、佐藤君も。あ、ちらし寿司の方がいい?ゆで卵食べる?」みたいな会話を、長距離用のボックス席じゃない普通座席の電車で繰り広げられていて、なんとなく自分が子供の頃のことを思い出しながらぼけーっと眺めていた。そんな親子は置いておいて、堀ノ内からさらに乗り換えて一駅でようやく京急大津に6:37到着。おお、一時間半しかかからなかった。

特急にのる。特急でも普通料金らしい。 釣り人が多い。

車窓から見える朝焼けが奇麗だ。 はい到着。

予想以上にちっこい駅を出て、潮の匂いがする左側にまっすぐ歩く。ボート屋の場所をはっきりと把握していなかったのだけれど、10メートル置きにクーラーボックスを持った釣り人がいるので迷うことはなさそうだ。途中釣り人しかいないコンビニで飲み物等を買って、ボート屋がやたらめったらある場所に到着。ええと、どのボート屋にしようかな。まあどれも一緒だろうと、釣り具屋をかねているっぽい「石田ボート店」というところにチャレンジ。なので当然私の頭の中にはマルコシアスバンプのヘラクレスというビデオに収録されている名曲中の名曲、「石田と遊ぼう」がエンドレスループ中。いっしだっとあっそぼうなっかよっくあっそぼう、らんららんららんら、らんらんららんららんら。よし、これで大漁間違いなし。

釣り人しかいないコンビニ。 なんかボート屋が三つも四つもあるの。

ボート屋でボートのレンタルとエサのアミエビブロック、アオイソメ、あとイシモチを釣るべきだというばあちゃんのアドバイスで胴付き2本ばりのイシモチ仕掛けを購入。全部で4950円也。アミエビはプラスチックの容器とスプーンを貸してくれるのでとても助かる。店内にはアジが釣れるポイントの書かれた地図が張ってあったが、初めての海なので地図を見てもチンプンカンプン。距離感がちっともわからんが、とりあえず海苔棚の近くらしい。まあいけばどうにかなるだろう。早速店のすぐ裏手にあるスロープ状のボート乗り場へいくと、働き者っぽいおばちゃん(おきむらとは別人)がボートを準備してくれ、座布団、救命胴衣を貸してくれる。なんだ、借りれるかわからなかったから両方家から持ってきちゃったよ。さあ肩をグルグル廻して準備体操をしたら、クロマグロの泳ぐ大海原へレッツゴー。目指すポイントは、釣り人のいるところだ。

一番右側が石田ボート乗り場。 満潮が怖い駐車場。

出発。チャプチャプ楽しい。 ああ、だんだん港が遠くになっていく。

風はないけれど少しうねりがある海の上で、限りある命の炎を燃やしながら延々とオールを漕ぐ。さすがに一人しか乗っていないと非力な私が漕いでも結構ちゃんと進むので楽しい。なんか曳舟で引っ張られるよりも釣れた時の達成感があるような気がする。出航してから20分ほどで、ボートが複数浮かぶエリアに無事到着。ああ、陸が遠い。家にあった「ボート釣り場完全ナビ(うろ覚え)」という本のコピーと現在位置を照らし合わせてみると、どうやらアジ釣りのおすすめポイントらしい。ほうほう。山だてとかするフリをしてみたりして。適当に来た場所が本で紹介されている正しいポイントだとちょっとうれしいなと。とりあえず二回目の出場となるオモチャ魚群探知機「ポケット魚探」を取り出してチェックしてみると、水深が23メートルもあり、そこら中にビンビン反応しているので、とりあえず場所をここに決定ということで、噂で聞いていた大津港名物の「重いアンカー」を沈める。水深23メートルか。うーん、わかさぎ竿を持ってきたけれど諦めるか。とりあえず1.1メートルの短い竿に数年前に99円で買ったサビキ「絶好釣」、ちっこいコマセカゴ、15号の小田原型錘をセットして釣りスタート。周りの人は立派な竿に立派なテンビン仕掛けでやっているみたいだけれど気にしない。

反応たっぷりだ。 安い。

アミコマセの入れ物とスプーンは貸してもらえる。 たぶんここであっている。

釣りスタート。 がんばれ石田丸。

強烈に重いアンカー。

とりあえずアジが釣りたいので、底から5メートル程の場所に仕掛けを入れて3回目、ブンブンと竿が引っ張られる。うれしい。ニヤニヤしながらリールを巻くと、20センチくらいのウルメイワシが3匹ぶら下がっているじゃないですか。やったー。とりあえず写真写真とやっているうちに一匹落ちて二匹になっちゃった(まあどうせまたすぐ釣れるさと思ったのだが、なぜかその後イワシ類は一匹も釣れなかった)。そして、ウルメイワシに続けて、すぐに本命のすごい美味しそうな尾びれの立派なアジも釣れた。ここのアジは「走水」といわれる程流れの速い海域で育ったためか、すごいヒキが強くて釣って面白い。中型のアジなんだけれど竿がグイグイ引っ張られる。よし、このグイグイ引っ張られている加減を撮影だとかやっていたら大物が根がかりでバレてしまった。釣りしながらの撮影は控えよう。ショボーン。

まずはウルメイワシ。 あ、ほんだくんにバケツ返してないや。

筋肉質なアジゲット。 とてもうれしい。

みよこのヒキ。この写真を撮ってすぐに根がかりしたよ。

アジだアジだわーい。よし、せっかくだからサビキにイソメを付けてみようかなと欲を出してみると、どうやら岩礁地帯の上にボートがあるらしく、アジに混ざってメバル、カサゴ、アナハゼ、ササノハベラ、スズメダイなどイロイロな魚がひっきりなしに食いついてきてとても面白い。サビキ釣りってアジ、サバ、イワシくらいしか釣れないと思っていたんだけれど、イソメをちょっと付けただけでだいぶ違うのね。ちなみに釣れたアナハゼをエサに大物を狙ったがまったくアタリ無しだった。

金色に輝くぜ。 カサゴ。

クロメバル。 アナハゼ。

スズメダイ。 ササノハベラ。たぶん。

いろいろな魚が釣れるたびにワーイワーイと撮影していたのだが、9時半を過ぎたアタリでピタリとアタリが止まってしまった。どうやら潮が止まって、入れ食いタイム終了となってしまったらしい。湖みたいな完全なべた凪になってしまった。ああ、こんなことなら写真ばっかり撮ってないでもっと気合い入れて釣りしていればよかったな。そんな時はお弁当に作ってきた自家製いくらタップリおにぎりの失敗作である米とイクラと海苔の固まりをやけ食いだ。しかし、一人で乗るボートっていうのは、一人身の自由と寂しさを押し込んだ一種の哲学的な乗り物だな。釣れても自慢できなーい。とりあえず知り合いに携帯で写真でも送りつけるか。

おにぎり失敗したの。

一時間ほど粘ったけれど、ちっともアタリがないので、思い切ってデラ重いアンカーをよっこらせと持ち上げて場所移動してみることにした。風も波もないので、どうせだったらもうちょっと沖までいってみようかなと10分ほど漕ぎ、ベテランっぽい人達がいる一角に魚群探知機を垂らしてみると、あれ水深がでてこない。どうやら測定可能限度である水深24メートルをオーバーしているらしい。使えない。仕方ないので、とりあえずサビキの仕掛けを降ろしてみると、すぐに本日最大のアタリがあり、ニヤニヤとしたやり取りの末に本日最大のアジが釣れた。やったやったと早速アンカーを降ろして2匹目の大アジを狙うが、さっきのがまぐれだったのか、アンカーを入れたポイントが少しずれたのか、全く釣れない。全然釣れない。仕方ないのでまた場所を最初のところに戻したり、あっちいったりこっちいったりするが、一匹も釣れないので、1時に撤収。アンカーの上げ下ろしを何回もしたので腰が痛い。エーンエーン。

大きなアジだ。 深過ぎて使えないじゃないか。

悔し涙を魚臭いタオルで拭って港に戻って石田ボートのおばちゃんと雑談していると、もう一艘のボートが戻ってきたので釣果を聞いてみたら、イシモチが大漁だという。そういえば朝に店のばあちゃんに勧められてイシモチ仕掛けを買ったんだけれどすっかり忘れていた。あわわ。クーラーボックスの中を見せてもらうと、今までみたこともないようなビックサイズのイシモチがいっぱい入っているじゃないですか。なんじゃこりゃ。蒸して食べたいぞ。とても悔しいので釣り方とどこで釣れたのかを教えてもらい、おばちゃんに「また来ます!」と言い残して帰路につく。くそう。

本日の釣果。種類だけはやたらに多いが数は少ない。 イシモチでかー。

おばちゃんは働き者。 おばあちゃんも働き者。

猫は働かない。猫なので。 帰りの駅のホームだが、階段を登って渡らないと東京方面の電車に乗れなくてへこたれた。求むバリアフリー。


で、夕飯。アジとウルメイワシは刺身、カサゴとメバルは煮付けにしてみた。大津のアジは上品な脂でやっぱり美味いね。身がしっかりしている。でも個人的にはトローッとしているウルメイワシの方が好みだったりする。

アジ。当たり前だが新鮮。 大津定食。

アジの刺身。 ウルメイワシの刺身。

メバルとカサゴの煮付け。

いやあ、初めての大津湾のボート釣り、いつもの富浦とはまた違って面白かったな。電車の釣行もたまには悪くないなあ。二人乗ったボートを漕ぐのは無理だが、一人だけなら結構漕げることがわかったし。あ、スカジャンは持ってなかったので着なかった。


買い物してして

こういうの好きかな